本当は怖いすい臓がんの話①
2019.11.01(かけはしvol.102掲載)
そもそも「すい臓」って?
胃の裏側にある細長い臓器で、消化酵素(膵液)を分泌する「外分泌機能」とホルモンを分泌する「内分泌機能」を司っています。
意外と知らない「すい臓」のコト
皆さんにとって「すい臓」は、耳馴染みの薄い臓器かもしれません。しかし年間約3万4千人がすい臓がんに罹患しており、国立がん研究センター がん情報サービスの調査(2017年)では日本人のがんによる死因の4位に上がっています。
このすい臓がんは、他のがんに比べて5年生存率が非常に低いのが特徴です。というのも、発見された時には既に重症化しているケースが多いのです。一体なぜでしょう?
①自覚症状がない場合が多く、初期段階での早期発見がしにくい
②周辺に胃・十二指腸・肝臓・脾臓などの重要な臓器や血管、神経が集中しており、転移しやすい
これらの点から、早期発見・早期治療が難しくなっているのが現状です。
しかし、〝前触れ〟をキャッチすることは不可能ではありません!発症リスクや発症までの過程を知ることで、〝超〟早期発見できる確率は高まるのです。
まずは発症リスクを知りましょう
発症リスクとは、その病気を患う危険性が高いと考えられる原因のことで、例としてはアルコールの多飲や喫煙、肥満などの生活習慣が挙げられます。
もちろんすい臓がんにもいくつかの発症リスクがあり、各項目を数値化した合計点が大きいほど罹患する可能性は高まるといえます。すい臓がんの場合は、特に
●家族歴(2親等)
●糖尿病(3年以内の発症もしくは増悪)
●アルコール多飲(3合/日)
に気を付けていただき、これと併せて超音波(エコー)検査などによって、初期に異変を見つけ出せる確率が上がります。