正確な検査結果を迅速に届ける
検査部では、病院理念である「患者さんの立場で考える」に基づき、正確な検査結果を迅速に提供することを目標とし、様々な取り組みを実践しております。また、時間外の救急患者さんや入院患者さんの急変にも迅速に対応できるように、24時間体制で夜間休日を問わず業務に努めております。
直接患者さんと接する機会の少ない部門ですが、常に検体の向こうの患者さんの存在を感じながら毎日の検査を行っています。検査についてのご質問がございましたら、お気軽に検査技師までお声がけください。
検査部部長
川上 優
臨床検査とは、患者さんの病気の早期診断や治療方針の決定、あるいは治療効果の確認のために、医師が依頼する検査の事です。当検査部では、正確で精度の高い検査結果を提供するために、国家資格である「臨床検査技師」が全ての検査を行っています。更に専門的な技術と知識の習得に励んでおり、各学会の認定資格を多くの技師が取得しています。
2018年医療法の改訂により、臨床検査を実施するすべての医療機関での精度管理が法的に初めて規定されました。院内では内部精度管理を毎日行い、院外では外部機関(日本医師会や日本臨床検査技師会)に委託し判定を請う外部精度管理を定期的に実施し、質の高い臨床検査を担保しております。
2021年には臨床検査の国際規格である「ISO15189」認定を県内でも先駆け取得し、高品質な検査結果を継続して患者さんにお届けできるよう取り組んでいます。
迅速に検査結果を提供するために、最新の検査機器を導入し、電子カルテシステム、臨床検査システム、搬送ライン、各種検査機器を連結させることで、業務の効率化を図り、検体採取から結果報告までの時間短縮を実現しております。同時に、人為的な記載ミスや照合ミスなどの医療過誤を防止し、医療安全の推進にも役立っております。蓄積された検査結果の情報管理も容易であり、倫理規定に基づく臨床データの提供にも寄与しています。
また、当院では全国的に適用が広がる「共用基準範囲」を採用しています。主だった検査項目については、採用施設であればどこの施設でも、同じ指標で検査結果の判読ができることになります。
臨床検査項目と意義検査業務には、患者さんから採取された血液や尿、組織(細胞)などの検体を検査する「検体検査」と患者さんの体の機能を直接検査する「生理機能検査」があります。当検査部は現在42名の臨床検査技師(パート職員含)が検体や機能別に9部門に分かれて検査業務(一部兼務)を担当しています。
当院では外来診療科が1F、2Fに配置されておりますので、患者さんの動線を考慮し、採血室も両階に設置しております。再診・初診合わせて、約300人以上の患者さんの採血や、翌日の入院患者さんの予約検査の採血管準備を行っています。
受付機と採血管準備システムが連動し、依頼された検査項目に適した採血管に、依頼内容が記録されたバーコードラベルが貼られた状態で準備され、患者間違いや採取間違い防止に大きく役立っています。更に検査技師は、多種にわたる検査に応じた採血管の知見や採血手技の熟練に努めております。また、直接患者さんと接する部門だけに、検査や外来診療についての質問などが多く、誠実にお答えすることを心がけています。
患者さんの身体を直接調べる検査です。約30種類以上の検査項目を実施しており、心臓・肺・血管・脳・耳鼻科領域など多くの臓器の機能検査を行います。患者さんの状態を正確に検査できるよう、最新の検査内容や機器操作の熟知に努めています。また、検査に対する不安を和らげるために、検査の内容などをわかりやすく説明するなど、患者さんとのコミュニケーションに心がけています。
血液を遠心分離して得られる血清や血漿、尿中に含まれる微量な成分を測定します。主に自動分析装置にて測定し、技師の確認のもと速やかに医師の待つ電子カルテへと送信されます。
血液中の赤血球や白血球、血小板などの、数の測定や、形態を顕微鏡で観察し、白血病などの血液の病気の診断の基となる検査を行います。また、止血異常など血管内の血液凝固に関する検査も測定します。
尿中の糖、タンパク、潜血などを測定します。尿は血液が腎臓でろ過された残りで、尿中の物質の測定は、腎臓の病気や糖尿病の診断にとても重要です。また、胸水や腹水、髄液などの体腔液の検査や大腸がんのスクリーニングとなる便潜血検査も行っています。
血液、尿、便、喀痰、膿、組織など様々な検体から感染症の原因となった細菌(微生物)を見つけ出し(同定)、有効な薬剤を探し出す(感受性試験)事を行っています。新型感染症等に対する核酸増幅検査(PCR検査)も昼夜問わず迅速に行っています。また、現在の院内の感染症の発生状況を監視分析し、コントロールするICT(感染対策チーム)の一員として検査データの管理、提供を行っています。
内視鏡検査で得られた組織や手術で得られた臓器を、顕微鏡で観察できるように標本作成を行います。切り出し、包埋、薄切、染色など様々な工程を経て組織標本を作製し、病理医が観察、診断を行います。その際、診断の補助となる特殊染色や免疫染色も施します。また、喀痰や気管支擦過や子宮擦過、乳腺や膵臓などの穿刺にて得られた細胞を顕微鏡で観察し、がんの有無をスクリーニングする細胞診検査は細胞検査士が担当します。不幸にして亡くなられた患者さんの病理解剖も行っています。
安全に輸血治療を行うために、患者さんの血液と輸血用製剤が適合するかどうかを調べる交差適合試験を行っています。また、患者さんが知らずに持っている抗体を事前に調べる不規則抗体スクリーニング検査を行い、最適な輸血用製剤を選択することで更に安全性を高めています。検査のデータ管理を含め、認定輸血検査技師が行います。また、輸血後の副作用の有無や肝炎感染の有無を確認し、輸血後の安全管理にも努めております。
健診センターにて、受診者の採血、心電図検査、呼吸機能検査、超音波検査などを行います。受診者一人一人のご要望に応えられるよう、丁寧な対応、検査を心がけています。
院内には患者さんをサポートするために様々な医療チームが活躍しております。検査部も自身の持つ知見を発揮する事はもとより、チームの一員として垣根を超えて積極的に貢献しております。
日々進化する医療において臨床検査領域も例外ではなく、最新の知見や専門性をより深く追求し、各分野での資格取得に積極的に挑戦しております。
超音波検査士(循環器領域)
5名
超音波検査士(健診領域)
3名
認定輸血検査技師
1名
細胞治療認定管理師
1名
糖尿病療養指導士
2名
NST専門療法士
1名
細胞検査士
6名
国際細胞検査士
3名
二級臨床検査士(血液学)
1名
二級臨床検査士(臨床化学)
1名
二級臨床検査士(病理学)
2名
定化学物質・四アルキル鉛等作業主任者
2名
有機溶剤作業主任者士
1名
受診について