臨床工学部

医療機器のスペシャリスト

臨床工学部 部長 五十嵐 茂幸

臨床工学部
部長
五十嵐 茂幸

医療機器は適切な管理と操作が必要です。

特に高機能・高性能化された医療機器は、法的に保守点検が求められており、当院では総勢22名の臨床工学技士が、より安全に、より正確に、より最良な医療機器管理を心がけています。
当院の臨床工学部は、医療機器管理室部門、血液浄化部門、手術室部門、心臓カテーテル部門、内視鏡部門の5部門により構成されています。

病院内には、さまざまな医療機器があらゆる診療科で多種多様に使用されています。特に生命に直結する生命維持管理装置は、適切な作動設定と正確な操作が必要とされます。私達臨床工学技士は各現場において「患者さんの立場で考える」の病院理念そって、他の医療職と密に連携し、信頼される最良の技術を提供します。

業務内容について

1.医療機器管理部門
 
医療機器管理 医療機器管理

院内全域に渡る約2300台の医療機器をデーターベース化し医療機器管理システムにて運用しています。
●医療機器保守管理業務
院内では法律で必ず点検が定められている特定保守管理医療機器(人工心肺装置及び補助循環装置、人工呼吸器、血液浄化装置、除細動装置、閉鎖式保育器等)や、使用頻度の高い医療機器 (輸液ポンプやシリンジポンプ等) を中心に年1~2回の定期点検・使用毎の日常点検および故障時修理対応を行い管理しています。
●医療機器情報管理業務
医療機器の添付文章及び取扱説明書等の保存に加え、不具合情報や健康被害等に関する情報収集、院内への情報伝達などの管理を行っています。
これら医療機器の管理業務のみならず、臨床業務にも携わっております。 集中治療分野で使用される人工呼吸器に対して、毎日適正な設定で正常動作されているかの確認をしております。またNPPV治療(非侵襲的陽圧換気法)では呼吸器内科・循環器内科医師と連携し呼吸不全、慢性心不全治療に対しての導入・マスクフィティング・動作管理の確認や在宅に向けての説明・指導も行っています。これらの人工呼吸器管理業務は、現場のスタッフと患者さんを交えたコミュニケーションが大切であり、日々連携をとりながら最適な管理を目指しています。また週1回開催される呼吸ケアチーム(RST)の一員のとしても、呼吸ケアの質の向上に携わっています。
その他、肝臓がんに対してのRFA治療(経皮的ラジオ波焼却術)では高周波装置と超音波エコー装置の操作支援や脊髄刺激装置の点検・管理等も行っています。
日進月歩する医療機器に対し、医療機器のエキスパートとしてメーカー主催の講習会や勉強会に積極的に参加し技術や知識の向上に努めています。

2.血液浄化部門
透析 透析

 当院の血液浄化療法センターはベッド数67床+個室3床(70床)を有し、慢性腎不全患者を中心に多種多様の疾患患者の治療に当たっています。血液浄化に必要な水処理装置、供給装置、患者監視装置の操作、保守点検管理はもとより、治療中の状態把握や機器のチェックを看護師と協力し行い安全確保に努めています。また定期的に患者カンファレンスも実施し、透析治療の質の管理やフットチェック、運動療法の導入など、身体所見評価や患者個々にあった治療が行えるよう話合いを行っています。装置類の点検管理に関しても年間計画に基づき、定期点検やオーバーホール、透析液の清浄化管理を行い安全な透析治療が行えるよう取り組んでいます。

 当センターではHD(血液透析)、On-Line/Off-Line/I-HDF(血液ろ過透析)などの維持透析治療に加え、CART(難治性腹水ろ過濃縮再静注法)、PE,SePE、DFPP,LDLーA、血漿吸着、末梢血幹細胞採取などのアフェレシス治療にも対応しており、腎臓疾患から全身のあらゆる疾患にわたる治療に対応できるセンターとなっております。血液浄化療法センター以外でも、CHDF(持続的血液ろ過透析)療法やエンドトキシン吸着療法、血漿交換療法、病棟での出張透析など急性期治療の支援も行いチーム医療の一員として活動しています。

手術部門
心臓カテーテル 心臓カテーテル

 今日の手術室では、高度で多様な医療機器を駆使して各科手術が行われており、患者さんが安心して手術が受けられるよう、臨床工学技士が安全な医療機器と技術の提供と円滑な手術の進行を目指して手術室業務に従事しています。

現在、手術室担当技士がローテーション制のもと日々1~2名常駐して、麻酔器、高周波手術装置などの手術機器・器具の保守管理業務、内視鏡手術や顕微鏡手術をはじめとする各科手術の準備、手術開始・終了時における機器の外回り支援、術中神経モニタリング装置・手術ナビゲーションシステム・自己血回収装置・眼科手術やレーザー手術などの臨床操作に携わっています。また術中の機器トラブルや中央材料室業務のサポートなどにも迅速に対応しています。
手術部門で業務する私たち臨床工学技士は、医師や看護師と連携を図りながら安全で質の高い医療を提供することに努めています。

4.心臓カテーテル部門
心臓カテーテル 心臓カテーテル

 心臓カテーテル検査の準備や周辺装置の操作・保守点検、また、不整脈治療に関わる業務を幅広く担当しています。
狭心症や心筋梗塞に対するカテーテル検査及び治療では、血管内超音波装置(IVUS)や、冠血流予備量比(FFR)などの各種診断装置の操作を行っています。また循環動態が不安定で1分1秒を争う状況が多い補助循環装置(IABP・PCPS)等の操作は緊張感と責任感のもとスピード感をもって安全に実施しています。
デバイス業務ではペースメーカーや植込み型心電計の植込み時立会いから、外来での動作チェック・データ管理までを行っています。また遠隔モニタリングを導入しており定期フォローアップを行う事で不整脈やリード線トラブルなどの早期発見にも努めています。MRI対応デバイスが植込まれている患者さんに対しては、MRI撮像前後の設定変更および立ち合いにも対応し、患者さんに安全で安心感を持って検査いただけるよう対応しています。
不整脈治療における心筋焼灼術(カテーテルアブレーション)では、CT画像の処理から始まり関連機器の準備、3Dマッピング・焼灼装置の操作など循環器医師と息を合わせながら臨床業務の支援を行っています。
夜間・休日は緊急を要する患者に対応するため、拘束体制をとりながら循環器内科医師や他のメデイカルスタッフと協力し、安全で質の高い技術を提供出来るよう努めています。

5.内視鏡部門
内視鏡

 内視鏡センターでの臨床工学技士の業務は、胃カメラ・全大腸検査を始めとする上下部内視鏡検査の介助、早期胃癌・大腸癌に対する内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)や食道静脈瘤結紮術(EVL)、緊急消化管止血術等の治療処置、胃瘻造設術(PEG)などの介助にも携わっています。また放射線透視を併用した内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)を始め、膵・胆管系の診断検査・治療、気管支鏡診断検査・治療にも多く従事しています。多くの直接介助業務では医師の指示の元に処置具等を操作したり、高周波装置の設定を行ったりと、とても高い技術が追及されるやりがいのある仕事です。センターを管理する看護師とともに日々切磋琢磨し知識・技術の共有や向上のための勉強会などを定期的に開催しています。内視鏡に配備される医療機器も臨床工学技士が年間計画をたて、日々の点検や定期点検を行っています。

職種の壁を超えたチーム医療への参加

院内には患者さんをサポートするために様々な医療チームが活躍しております。

  • ・医療安全対策チーム
  • ・感染対策チーム
  • ・呼吸ケアチーム
  • ・腎不全教室チーム
  • ・クリニカルパス部会
  • ・医療安全全国共同行動への取り組み

【臨床工学部スタッフの認定資格】(2020年4月現在)

  • 日本臨床工学技士会認定臨床実習指導施設
  • 日本臨床工学技士会不整脈治療専門臨床工学技士1名
  • 日本臨床工学技士会認定医療機器管理臨床工学技士1名
  • 日本臨床工学技士会認定臨床実習指導者1名
  • 透析療法合同専門委員会透析技術認定士12名
  • 3学会合同呼吸療法認定士3名
  • 3学会構成血管診療技師1名
  • 日本アフェレシス学会認定技士1名
  • 日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡技師(第1種)2名
  • 日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡技師(第2種)1名
  • 日本カプセル内視鏡学会
    小腸カプセル内視鏡読影支援技師3名
  • 日本フットケア学会フットケア指導士1名
  • 日本生体医工学会第2種ME技術実力検定合格9名
  • 日本DMAT隊員2名
  • AHA BLS Faculty 1名
  • AHA BLSインストラクター3名
  • AHA ACLSインストラクター1名

受診について

診療時間
月~金曜日 8:30~17:00
(午後は予約・紹介・小児科のみ)
診療受付時間 8:20~11:00/
自動受付機は7:40より稼働
休診日
土・日曜日、祝祭日、年末年始
休日・時間外診療
救急センターにて対応します。

0776-23-1111

〒918-8503
 福井県福井市和田中町舟橋7番地1

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