治験とは、製薬会社が新薬の製造を厚生労働省に承認申請するため、必要な資料を収集することを目的として、病院などに依頼して行われる臨床試験です。私たちは、ケガをしたときや病気になったとき、薬を飲んで治そうとします。私たちが今飲んでいる薬はすべて、この治験というプロセスを経て発売されており、服用の方法や注意などは治験によって得られたデータをもとにしています。現在、世界中でたくさんの薬が使われていますが、これは過去に大勢の患者さんの理解とご協力を得られたことにより、誕生したものだといえるでしょう。
当院の治験センターは、治験センター委員会、治験事務局で組織され、「治験」等の受託研究についての管理運営を行なっています。センター委員会では治験委員会のあり方等について審議しています。また、治験事務局は治験申請から終了に至るまでの諸事務手続きを行なっています。治験事務局は平成16年11月より、治験の質の向上を目指してスタッフが増員されました。これに伴い、医師主導型治験の支援、治験ネットワークの活性化等、業務範囲を積極的に推進、拡大していきたいと考えております。これからも、皆様のご期待にお答えできるようスタッフ一同努力して参ります。
2012年4月現在
SMOとは、治験を実施する医療機関を支援する企業として医療機関が携わる治験の各種事務手続きや、治験を実施する医師の業務を支援している。多くの場合、CRCを医療機関に派遣し、治験業務の支援を行っている。
CRCとは、治験コーディネーターの略語で、医療機関に派遣され、患者さんに対し治験の説明を行ったり、治験のスケジュール管理、各種データの収集・管理など行う者を言う。
治験は国(厚生労働省)の定めた法律:GCP(医薬品の臨床試験の実施の基準)に従って行われます。また、治験を行う病院は当院のような十分な設備、スタッフがそろっていなければなりません。治験を実施する病院では、治験の内容などについて病院内に設置された治験審査委員会で十分な審査がなされます。
治験は3つの段階に分けられ、それぞれの段階において行われます。
第 I 相試験
動物試験で安全性が確認されたものについて、少数の健康な志願者を対象に安全性について調べる。
第 II 相試験
少人数の患者さんを対象として安全性と有効性を確認する。
第 III 相試験
多数の患者さんを対象として客観的な試験方法(対照薬やプラセボ-偽薬-を用いた方法)により既存薬との比較において有効性と安全性を検証する。
製造販売後臨床試験
第III相試験が終了し、薬が安全で効果があることが証明され、厚生労働省の認可が下り、市場に出た後に効き目や安全性を評価する。
福井県済生会病院 治験センター
受診について