放射線治療
Q&A
ここが気になるQ&A
- Q1.トモセラピーって何?
- トモセラピーとは放射線治療装置の名称。強度変調放射線治療と呼ばれる照射を行う専用機器として開発されました。内蔵されたCTで、放射線を照射するがん病巣の位置を確認し、放射線装置ががんの大きさ、形を捉えてピンポイントで放射線を照射できるのが特色です。
- Q2.トモセラピーは今までの放射線治療とどこが違うの?
- がんの周辺にある正常組織を避け、がんだけに線量を集中できるのが、トモセラピーの最大の特色です。周辺への影響が少ないため、がんに高い線量の放射線を照射でき、大きな治療効果が期待できます。
- Q3.トモセラピーはどんながんに効果があるのでしょうか?
- ほとんどのがんに高い効果が期待できます。以前は保険適応は、前立腺がん、頭頸部腫瘍、中枢神経腫瘍(原発性)に限られていましたが、平成22年4月の診療報酬の改定に伴い、ほとんどのがんに広がりました。肺がんや食道、すい臓などの消化器がん、直腸や子宮、膀胱などの骨盤臓器、単発性の骨転移などが適応となります。根治治療として、術前・術後照射としての臨床応用が期待されます。
- Q4.トモセラピーの治療の費用はどのくらいですか?
一般的ながん治療より高いのでしょうか? - 平成22年4月から、トモセラピーの治療費は限局した固形がんであれば、全て保険診療でまかなうことができるようになりました。具体的には1回の照射につき、33,000円ですが、7割が保険でまかなわれますと自己負担金は11,000円となります。前立腺がんや頭頸部腫瘍を例に挙げますと、35回前後の治療が必要な場合、自己負担金は約400,000円となります。ライナックによる従来の放射線治療と比較して2~3倍ですが、1ヶ月あたり放射線治療にかかる費用が自己負担金限度額を超えた場合、高額医療費の適応となり、保険者より払い戻しされますので、実質の費用はほとんど差がありません。詳しくは受診の際ご説明させていただきます。
- Q5.病状や体調、体格など、トモセラピーで治療を受けるのに条件や制約はありますか?
- 一定期間に集中して治療を行うことが望ましいため、適度な体力があることが原則となります。その上で病変の大きさや部位、性質など総合的な診断によってトモセラピーで治療を行うかどうかを判断します。
- Q6.治療中に痛みはありますか?
- トモセラピーの治療中に痛みはありません。1回の照射時間は5〜10分程度、トータルの治療時間も20〜30分程度となりますので、身体的にも時間的にも負担の少ない治療法と言えるでしょう。
- Q7.副作用が気になるのですが・・・?
- 従来の放射線治療に比べると、副作用はかなり軽減されます。照射場所によっては口内痛・咽頭痛や下痢などの副作用が見られることもありますが、そのつど診察を行い、副作用の有無を確認して治療を進めていきますので、安心して受けていただけます。
- Q8.入院する必要はありますか?
- トモセラピーは原則として外来での診療となり、通院にて治療を受けていただきます。仕事の合間に治療にお越しいただくなど、生活の質を保ちながら受けられる治療をめざしています。
- Q9.トモセラピーと陽子線治療、効果の違いは?
- 病巣の線量分布や生物学的効果としては、陽子線もトモセラピーも大きな違いはありません。しかし、低線量域(弱い線があたってしまう部分)は陽子線のほうが少ないため、肝臓がんや下肺野の大きな肺がんの治療には陽子線治療のほうが有利です。
その一方、トモセラピーの場合、全身に転移していない固形がんの場合は全て保険診療の対象となり、頭頸部腫瘍(耳鼻科、口腔外科領域のがん)や子宮頸がん、前立腺がんのように、がん病巣に加えて頸や骨盤のリンパ節を広い範囲で同時に照射することが可能です。一度に数箇所の治療や、大きな範囲の治療が可能である点や、画像誘導放射線治療が行えるためがんの病巣を正確に狙い撃ちできる点がトモセラピーのメリットといえます。
このように、がんの発生部位などにより、それぞれ陽子線のほうが有利なものもあれば、トモセラピーのほうが有利なものもあります。
効果が変わらないもの |
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トモセラピーのほうが 陽子線よりも有利なもの |
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陽子線のほうが トモセラピーより有利なもの |
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