乳がん

マンモトーム生検

がんかどうかを術前に確定

乳がんかどうか疑わしい病変を確定診断する

乳がんかどうか疑わしい病変を確定診断する

がん治療の中でも、ここ数年で極めて大きく変化を遂げているのが、乳がんの手術です。かつての乳がん手術は「疑わしいものはすべて切除する」という考え方が基本だったため、乳がんの疑いがある腫瘍が発見されると、乳房はもちろん脇の下のリンパ節(腋窩リンパ節)まですべて切除するのが一般的でした。しかし、検査技術の進歩で、やみくもにすべてを切り取るのではなく、がんであることを確定した上で、できるだけ小さい範囲で手術を行う手法が主流となってきました。

そんな乳がん検査の一つが、マンモトーム生検です。これは、腫瘍の組織を一部採取してがんかどうかの確定診断を行うための検査。乳がんの検査にはいくつかの段階があり、まず最初は視触診、続いてマンモグラフィー(X線撮影)、エコー(超音波)などによる画像検査を行います。画像検査でがんが疑われる場合は細胞診を実施。この段階でもがんの可能性が否定できない場合に、マンモトーム生検で組織を採取し、がんかどうかを確定する検査(確定診断)を行います。
院では、このマンモトーム生検を行う機器を昨年12月に一新。より緻密で、円滑な検査が可能になりました。

乳がんの検査と診断の主な流れ

腫瘍から組織を採取し、がん細胞の有無を調べる

マンモトーム生検は、超音波画像やマンモグラフィーによるX線画像で病変を確認しながら乳房に針を刺し、組織の一部を吸引口から切り取って行います。メスを入れず針を刺して組織を切り取るので、大きな傷が残ることなく組織検査を行えるのが特色です。

マンモトームのメカニズム
標本

採取した組織標本(左)。これをもとに確定診断を行う。

当院が導入した新しい機器は、検査時の患者さんの負担を軽減するための工夫も取り入れられています。患者さんがうつぶせの状態で検査できるようになったのも改善点の一つです。以前の機器は椅子に座った状態で組織を採取していましたが、うつぶせで検査を行うことで、体勢がかなり楽になっています。

標本
標本

モニターを見つめながら、手技を行う。細かい血管内へは画面を拡大して、慎重にカテーテルを進める。

真剣なまなざしの一方で、患者さんが緊張しないようにも気を配る

また、うつぶせになることで、乳房に針を刺すのが視界に入らないというのも改善ポイント。検査時は乳がんかもしれないという動揺を抱えて精神的に不安定です。そんな状態で胸に大きな針が刺されるのが目に入ると、それだけで気分が悪くなったりする方もいます。新しい機器はそのような精神的な苦痛も軽減しています。モニターを見ながら施術真剣なまなざしの一方で、患者さんが緊張しないようにも気を配る

マンモトーム生検で採取した組織は直ちに病理検査室へ送られ、3〜4日で標本を作製し病理医へ。病理診断の結果、がんかどうかを確定します。
マンモトーム生検によりがんでないと確定された場合は、経過を観察。がんであると確定されたら、すみやかに治療の方針を決定します。がんの性質によって治療計画は変わります。マンモトームで採取した組織は、がんの性質を見極めるためにも重要な役割を果たすのです。より有効な治療法を探るためにも、当検査は活用されています。

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