肝がん

肝がんについて

がん疾患名

肝がん

肝がんは、予防が可能ながん

 がん死亡統計の上位に挙げられているのが肝がんです。肝がんにはいくつかの種類がありますが、その大部分を占めるのが肝細胞ががん化して起こる「肝細胞がん」です。

  • B型慢性肝炎の肝表画像
  • C型慢性肝炎の肝表画像
  • B型肝硬変の肝表画像
  • C型肝硬変の肝表画像

 この肝細胞がんは、他のがんと異なる特徴を持っています。それは、そのほとんどがウイルス性肝炎を患っている人に発生するということ。正常な肝臓が発症することは少なく、肝がんの70%以上は肝炎ウイルスによって引き起こされていることが明らかになっています。

 肝炎ウイルスにはいくつかの種類がありますが、肝がんの原因となっているのがB型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスです。これらが原因で引き起こされた肝炎が慢性化し、肝硬変へと進行、さらに病態が悪化すると肝細胞がんとなります。なかでも、特に注意したいのがC型肝炎です。統計によると肝がんの原因の約50%がC型肝炎ウイルスに起因しています。

したがって、まずは肝炎ウイルスへの感染を検診などでチェックすることが、肝がんを予防する第一歩となります。病態が進行する前に、肝炎の段階で適切な治療をすることが、肝がんを未然に防ぐのに非常に有効なのです。

肝がんの原因

働き盛りの40代から病態が進行

肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、自覚症状が現れにくいという特色を持っています。そのため、C型ウイルスに感染していても、気付かないというケースも少なくありません。C型肝炎ウイルスはそのままにしておくとC型肝炎を引き起こし、やがて慢性化。そして、10年、20年という長い歳月を経て肝硬変、肝がんへと進行していきます。また、C型慢性肝炎は、働き盛りの40歳を過ぎて病態が進行し始めることが多いのも特色です。したがって、若年のうちから肝炎ウイルス感染の有無を検診で確認し、あった場合は病態が進行する前に食い止めるのが、最善の方法です。

非アルコール性脂肪肝が肝がんの原因に

 肝がんを引き起こす成因の一つとして、近年クローズアップされているのが脂肪肝です。これまで脂肪肝は肝硬変や肝がんへは進行しないと考えられていましたが、最近のデータでは、脂肪肝のうち飲酒歴がなくても発症する非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)だと起こりうることが明らかに。NASHの5〜20%が肝硬変に至るというデータもあり、その比率は年々増加しています。NASHを引き起こすと考えられているのが過剰な内臓脂肪。肥満、脂っこい食事が多い人は注意が必要です。

肝脂肪が肝がんになるまで

C型肝炎に有効な経口薬も登場

 C型肝炎の治療法として、以前はインターフェロン療法が用いられていましたが、近年では経口抗ウイルス薬でウイルスを排除しほぼ100%肝炎を沈静化することが可能になりました。 副作用が少なく短期間で効果が現れることから、インターフェロン療法ができなかった方や高齢の方も使用でき、現在のC型肝炎に対する標準治療です。

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