メディカルカフェ
第35回
- 開催日 :
- 2014.06.06
- 講師 :
- 管理栄養士 沖村喜美恵
- 参加人数:
- 19人(男性:6人 / 女性:13人)

【講座詳細】療養のためのヒント ~食事や栄養について~
がんの患者さんでは症状がなくても炎症が起きています。3食の食事をしっかりとりエネルギーを確保し体重減少や体力の低下を防ぐことが大切です。炭水化物・脂質・たんぱく質・ビタミン・ミネラルの5大栄養素をまんべんなくとることがとても大切になります。栄養バランスランチョンマットの3つのお皿、主食、主菜、副菜の3つが揃っていると、体に必要な栄養素がおおかたとれます。
【食欲不振と味覚の変化の対策】
- 少なめに食事を用意する(食べきれた達成感が食への意欲を引き出してくれる)
- 食事の時間にこだわらず、気分がよく食べれそうと思ったときに食事がとれるよう工夫をしてみましょう。
- 朝起きぬけに水や牛乳など飲み物を取る(胃が目覚めると同時に食欲が湧いくる)
- 同じ量をとるならより栄養価の高いものを選びましょう。(汁物なら具沢山にしたり、ジュースも数種類の野菜や果物を組み合わせる)。
【味覚異常がの対策】
- 塩分を増やす代わりに、だしを濃い目にとり旨みをだしたり、バターや乳製品を使ってこくをだす。
- 料理にお酢を使ったり出来上がった料理にレモン果汁をかける。
- 旨みや香りの強い旬の新鮮な食材を使用する。
- 人肌近くしてから食べる。
【口内炎や口の中の乾燥の対策】
- 水分の多いもの、軟らかくて口当たりよいものにする。
- 煮汁に片栗粉でとろみをつける。
- こめに水分を取り、常に口の中を潤った状態に保つ。
- 氷を口の中に含む。
【ONSについて】
ONSとは「経口的栄養補助」のことです。食事だけで十分な栄養をとることが難しい場合、普通の食事に加え経腸栄養剤や濃厚流動食を飲むことで不足分の栄養を補おうというものです。経腸栄養剤は、ご存知の方もおられるとは思いますが、体に必要な栄養素をバランスよく含んだもので栄養素を効率的に摂取できます。 食生活上大切なことは、
- 3つのお皿をとりいれたバランスのよい食事とし栄養状態を整える
- 料理の方法を工夫して治療上の副作用を 少なくし楽しく食事をする
- 食事だけで十分な栄養が確保できない場合はONS(経口的栄養補助)を利用し不足分を補う
- 健康食品・サプリメントは食事の補助と して考え、まずは3食の食事から必要な 栄養をとる
当院で開催されているメディカルカフェでは、管理栄養士が本日お話した食事・栄養面でのアドバイスを患者さんの相談内容に応じてお話しています。

管理栄養士の講義は人気です。

栄養バランスランチョンマット

栄養補助食品

患者さんとスタッフの
コラボ作品
- スタッフからの一言
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先月からハローワーク相談員もメディカルカフェに参加していただき就労支援を行っています。早速患者さんからのご予約もありました。今後もメディカルカフェの中でいろいろな取り組みをできればと思います。
今回の勉強会は栄養士による講義でした。食に対するテーマは毎回大人気です。