メディカルカフェ

第54回 

開催日 :
2016.01.08
講師  :
院内がん登録室 診療情報管理士 小林恵理子
参加人数:
21人(男性:5人 / 女性:16人)


【講座詳細】がん登録と統計について

「がん登録」とは、がん患者さんについて、診断、治療およびその後の転帰に関する情報を収集し、保管、整理、解析する仕組みのことを言います。これは、がん対策の基礎となるデータを把握するために欠かせないものです。がん登録は、全都道府県をカバーする「全国がん登録」、病院単位で集計を行う「院内がん登録」などに分類されます。「全国がん登録」は、平成25年12月に成立した「がん登録等の推進に関する法律」に基づき、この1月にスタートしたばかりの新しい仕組みです。日本でがんと診断されたすべての人のデータを、国で1つにまとめて集計・分析・管理します。この情報をもとにがんの実態を明らかにし、国のがん対策や都道府県の医療計画の策定に役立てていきます。すべてのがんの数を把握するため、登録についての個別の同意取得はありません。患者さんやご家族による手続きは不要で、居住地域にかかわらず、全国の医療機関はがんと診断された人のデータを都道府県知事に届け出ることが義務化されます。がんと診断された人のデータは都道府県に設置された「がん登録室」を通じて集められ、国のデータベースで一元管理されるようになります。がんを診断した医療機関が入力し、都道府県が整理したデータが、国立がん研究センターのデータベースに保存される、という流れになります。
主に8項目を記録し組み合わせることで、どのような患者にどのような治療が用いられているかがわかり、継続的にみると、それぞれの地域で増えているがんがわかります。その原因を分析検討し、がん対策に役立てるためには、個人を特定する情報が不可欠です。個人情報が漏えいし、貴重なデータを提供していただいた患者さんのプライバシーや権利が侵害されることのないよう「がん登録等の推進に関する法律」においても、個人情報の保護や管理、さらには罰則に対する規定が厳しく定められています。
 次に生存率について説明します。生存率とは、ある疾患の診断または治療から、一定期間後に生存している確率のことで、治療の効果を判定する最も重要かつ客観的な指標となります。生存率を見る際に注意が必要な点のひとつとして、対象患者さんの生死の把握する「追跡率」があります。消息不明の患者さんが多い場合生存率は高くなる傾向にあり、追跡率は95%以上となることが望ましいとされています。そのため、患者さんのその後の経過を追っていくことも重要です。生存率はあくまでも集団としての全体的な統計結果であり、患者さんひとりひとりに、単純に当てはめられるものではありませんのでご注意ください。
 当院の がんに関する統計データは、当院の集学的がん診療センターのホームページにも掲載していますのでご覧ください。


2016年1月より全国がん登録開始です。

見ざる・言わざる・聞かざるを頂きました
手作りの“おせち”

セラピー犬のラッキーに
患者さんもスタッフも癒されました。


スタッフからの一言
新年明けましておめでとうございます。本年も皆様のご参加をスタッフ一同お待ちしております。2016年最初のメディカルカフェは雨の中21名もの方がご参加下さいました。セラピー犬のラッキー君のサプライズ参加もあり大変にぎわいました。メディカルカフェではいろいろな企画を行っていますが今後も癒しになる企画もどんどん取り入れて行きたいと思います。

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