大腸がん

大腸がんについて

がん疾患名

大腸がん

食生活の変化で急増した大腸がん

大腸がんは、戦後から1990年代にかけて急速に増加しています。[図1]
大腸がんが増えている要因の一つと考えられているのが、食生活の変化です。戦後、食生活が欧米化し、肉類など脂質の摂取が増え、食物繊維の摂取が減ったことにより、大腸がんの増加を促しているとみられています。脂っこい食事を重ね、食物繊維が不足すると便秘がちになります。腸内に長く便がとどまっているとそれだけ腸にかかる負担も大きくなり、腸内環境の悪化を引き起こします。[図2]

また、大腸がんは遺伝的要素も少なくないとされています。同じ消化器系のがんでも胃がんなどは遺伝的要素はあまり見られませんが、大腸がんの場合は近親者に大腸がんにかかった人がいると、発生しやすいという統計結果が出ており、注意が必要です。

大腸の役割とがんの症状

大腸は口から入った食物の最終処理を行う消化器官。小腸で消化・吸収が行われた食物の水分をゆっくりと吸収し、便として肛門へと排出していきます。大腸は入り口に近いほうを「結腸」、出口に近いほうを「直腸」と呼んでいます。大腸がんが発生しやすいのが結腸の一部であるS状結腸と直腸。この2つの部位で大腸がんの約60%を占めるがんが発生しています。

大腸がんの症状で最も顕著なのは血便です。出口に近い直腸の場合は便にこびりつくように鮮血が見られますが、入り口に近い結腸では便に血が混じり見ただけではわかりにくいこともあります。その他、便が細くなったり残便感を覚えたりする便通異常も要注意です。
ただし、初期の場合はほとんど自覚症状がなく、早期で発見されるのはがん検診や人間ドックによるものが大半を占めます。「早期に発見されるほど、治療の選択肢が広がり、身体的負担、その後の生活への負担も少なくなります。早期発見・早期治療のためにも、定期的に大腸がん健診を受診することをおすすめします。

大腸がんの検査法

●検便による検査
便の鮮血を調べ、腸内で出血がないかを調べる方法です。比較的簡単に行える検査方法です。
●内視鏡による検査
肛門から大腸ファイバー(内視鏡)を入れて行う検査方法。カメラが腸内の状態をリアルに捉えるので、より精度の高い検査結果が期待できることから、近年、普及してきています。
●バリウムによる検査
古くから行われている検査方法。下剤を飲んで大腸の中を空っぽにし、肛門からバリウムを注入し、レントゲン撮影を行います。
その他にも超音波、CT、PETなどによる検査があります。

治療率が進化・多様化し、生存率は約90%に

Ⅰ期で摘出した場合 5年後の生存率90%

大腸がんは病巣をしっかり切除すれば、再発が少ないがんとされています。Ⅰ期で摘出した場合、5年後の生存率が約90%という統計もあり、早い段階で適切な治療を行えば、十分に治すことのできるがんと言えます。
大腸がん治療は近年多様化しており、腹腔鏡手術、肛門括約筋温存術、ストーマのほか、抗がん剤による治療法も近年では高い治療成績を上げています。また、放射線治療による機能温存、緩和ケアなども進んでおり、治療の選択肢は広がっています。

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