①「サイバーナイフ」で叶えるからだにやさしいがんの放射線治療
2025.09.11(かけはしvol.127掲載)
放射線治療とは?
放射線治療は手術・薬物療法と並ぶがんの三大治療のひとつです。高エネルギーの放射線を腫瘍に照射して治療します。
放射線治療の目的は、照射した腫瘍をしっかり治す場合(根治)や、腫瘍による症状を改善する場合(緩和)など、さまざまです。身体への負担が比較的少なく、手術が難しい患者さんやご高齢の患者さんにも選ばれています。
サーバーナイフとは?
サイバーナイフは、小さな腫瘍にたいして定位放射線治療(=いわゆるピンポイント照射)を行う治療装置です。
サイバーナイフのロボットアームが動いてX線ビームを多方向から高精度に腫瘍へ照射します。腫瘍に放射線が集中して、周囲の正常組織への放射線量を抑えられるため、副作用が少なく高い治療効果を期待できます。また、治療回数は1病変に対して通常1~5回程度で、短期間で治療が終了することもメリットです。
肺や肝臓など呼吸に伴い動く臓器の腫瘍には、放射線治療中もロボットアームが腫瘍の動きを追いかけながら照射します。これも周囲の正常組織の放射線量を減らすことに貢献しています。
サイバーナイフと名前の似た放射線治療装置に「ガンマナイフ」があります。ガンマナイフの治療対象は頭部のみですが、サイバーナイフは頭部だけでなく、頸部や体幹部の腫瘍にも照射できます。