虫刺され後の肝障害 リケッチア感染症に注意(つつがむし病、日本紅斑熱)
- 肝臓川柳
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虫刺され 発熱あったら 行け!治療
(行け!治療…いけちりょう…イケチリョウ…リケチリョウ…リケッチリョウ………リケッチア)
登山や川でのレジャーを楽しむ季節を中心に、草むらなどで虫に刺されることが多くなりますが、虫刺され後に発熱、発疹とともに肝障害がみられ、急性肝炎や胆嚢炎のような経過を辿ることがあります。
ダニを媒体とするリケッチア(細菌より小さい生物)による感染症である“つつがむし病”(聞いた事あると思います)や“日本紅斑熱”が原因で、日本でも毎年報告され、最近増えてきています。
刺し口があることが特徴で、リケッチア抗体や最近ではDNA検査で診断されます。
抗生剤(テトラサイクリン)が著効を示しますが、治療が遅れるとDIC(播種性血管内凝固症候群)や多臓器不全を起こし死に至ることもあります。
郊外でレジャーをする場合は服装に注意し、万一何かに刺され熱などが出た場合は、甘く見ないようにしましょう!
- これだけ覚えておいて損はない!
今回のポイント -
虫刺されが多くなる夏場ですが、虫刺され後に発熱、発疹と共に肝障害が見られ急性肝炎や胆嚢炎の経過をたどる事がります。治療が遅れるとDICや多臓器不全を起こし命にかかわる事もあります。
虫刺されも甘く見ずに注意をしましょう。(文:肝疾患センター長 野ツ俣 和夫)
2023.8.10 更新