肝細胞癌も、いよいよ免疫チェックポイント阻害剤治療が登場
- 肝臓川柳
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登場だ! 肝がん治療は イメチェンへ
(イメチェン…メチェ…メンチェ…めんえきちぇっく…免疫チェックポイント阻害剤)
がん細胞を直接攻撃するのではなく、本来の免疫機能が正常に働き、がん細胞を攻撃できるように作用させる免疫療法のひとつ免疫チェックポイント阻害剤が広く使用されていますが、肝細胞癌でも2023年3月15日に、「切除不能な肝細胞癌」の一次治療として、イミフィンジ(R)(デュルバルマブ)およびイジュド(R)(トレメリムマブ)の治療が可能となりました
イミフィンジ(R)とイジュド(R)は、二つとも免疫チェックポイント阻害剤です。
イジュドは最初の1回のみ投与、イミフィンジは4週ごとに投与継続となります
全生存期間で既存の分子標的剤と比較し「優越性」を証明し、全般的健康状態/QOL悪化までの期間を有意に延長しました(1)
免疫チェックポイント阻害剤は一定の割合の患者さんが長く生存し続けるという特徴がありますが、イミフィンジとイジュドの併用療法もこの特徴が示されています
主な副作用として免疫関連副作用があり、定期的な検査が必要ですが、最新の肝癌診療ガイドラインでは、一次治療の選択肢として、テセントリク(アテゾリズマブ)+アバスチン(ベマシズマブ)と並列して記載されており、標準治療のひとつとして期待されています(2)
(1)Abou-Alfa, GK., et al.: NEJM Evid., 1(8), 1-12, 2022
(2)肝癌診療ガイドライン:https://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/jsh_guidlines/medical/
- これだけ覚えておいて損はない!
今回のポイント -
肝細胞癌でも免疫チェックポイント阻害薬での治療が可能となってきました
再診の肝癌診療ガイドラインでも
(文:肝疾患センター長 野ツ俣 和夫)
2023.6.21 更新