がん免疫療法の一つ免疫チェックポイント阻害剤が肝細胞癌でも薬物療法の主役に
- 肝臓川柳
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組合せ 免疫治療に 集約だ!
(集約だ・・・集約・・・しゅうやく・・・しゅやく・・・主役だ!)
患者さん自身の免疫力を利用し、がんを治療する「がん免疫療法」の研究が進み、2年半前に肝細胞癌でも治療選択肢となりました
現在、中等度進行肝細胞癌に対する一次薬物療法は、主に免疫チェックポイント阻害薬のアテゾリズマブと抗血管新生増殖因子(VEGF)阻害剤のベマシズマブの併用療法がおこなわれていますが、これらの薬を併用することで、がん細胞への免疫応答を活性化させながら、腫瘍の血管形成を抑制する効果を持つことが期待され、がんの成長を遅らせるか、一部の患者ではがんを縮小することが可能です(1)
さらに最近は、このアテゾリズマブ・ベマシズマブ併用療法と従来の手術、放射線治療や局所治療(ラジオ波、TACE)と組み合わせることで中等度進行の肝細胞がんでも治癒を目指せることが報告されています(2)
現在、肝細胞癌でのがん免疫療法の研究が精力的に進められており、今後の患者さんの治療に役立てられることが望まれます
(1)Finn RS,et al.:N Engl J Med. 2020; 382(20):1894-1905
(2)https://karger.com/lic/article/doi/10.1159/000529574/843509/Achievement-of-Complete-Response-and-Drug-Free
- これだけ覚えておいて損はない!
今回のポイント -
患者さん自身の免疫力を利用し、癌を治療する癌免疫療法の研究が進み、最近では従来の手術、放射線治療や局所治療(ラジオ波、TACE)と組み合わせることで中等度進行の肝細胞がんでも治癒を目指せることが報告されています
(文:福井県肝疾患診療連携拠点病院協議会 野ツ俣 和夫)
2023.5.25 更新