肝硬変の合併症 不顕性肝性脳症が注目!多職種で負のスパイラルを止める
- 肝臓川柳
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脳症の 症状早期に 発見せい!
(発見せい!・・・はっけんせい・・・っけんせい・・・けんせい・・・顕性)
肝硬変が進み肝臓の機能が低下すると出現する“肝性脳症”は有名で、
意識障害、羽ばたき振戦、高アンモニア血症増悪など“顕性”なのに対して、
このような症状がない “不顕性肝性脳症”が今注目を浴びています。
症状はなく検査(精神神経機能検査)をして初めて分かりますが、
転倒、交通事故の原因になったり、生存率の低下と関連し、
顕性脳症への移行が多く注意が必要です。
肝硬変の50%は合併しているとも言われており、認知症と間違えられたり、
放置により様々な機能低下を誘発する負のスパイラルの始まりとも言われ、
早期発見、早期治療介入、多職種連携が必要とされ、
現在精力的に研究が進められ広まりつつあります。
- これだけ覚えておいて損はない!
今回のポイント -
肝硬変が進んでいても、肝性脳症の特徴的な症状が無い
”不顕性肝性脳症”が現在注目されています。
認識の遅れから様々な負のスパイラルが始まっていく可能性もあり、
早期発見・早期治療が重要で、多職種連携が必要とされています。
(文:福井県肝疾患診療連携拠点病院 肝疾患センター長 野ツ俣 和夫)
2023.2.27 更新