福井県済生会病院（肝疾患診療連携拠点病院） 肝疾患センター

非アルコール性脂肪性肝疾患（NAFLD）、
非アルコール性脂肪肝炎（NASH）は
日本でも増えており、
慢性肝炎、肝硬変、肝癌の肝疾患の主要な原因の一つになりつつありますが、
同時に、心血管イベント(脳梗塞、心筋梗塞など)のリスクも高いと言われています。
2020年ガイドラインでもNAFLDでは一般人と比較して心血管イベントリスクが高く、
肝線維化進展に伴ってさらにリスクが上昇すると記載されています。

通常はNAFLDといいますと肥満や生活習慣病合併があり、
そのために心血管イベントリスクも高いのではとのイメージがありますが、
最近、驚くべきことに体重が適正（肥満なし）でも、
また、生活習慣因子に関わりなくリスクが高いとの報告もあります。
肝臓に脂肪が溜まることが原因なのかも知れませんが、まだはっきりしていません。

脂肪肝の方は肝臓障害だけでなく、心血管障害をはじめ全身に注意が必要です。
そして他科との綿密な連携も重要です。