肝生検検査の重要性 (原発性胆汁性胆管炎(PBC))の病理診断
- 肝臓川柳
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肝生検 躊躇しないで せないけん
(せないけん<しないといけない>…せいけん…生検…肝生検)
最近、侵襲的な検査である肝生検が躊躇されることがあります。
しかし肝生検検査の結果が肝疾患診断の決め手となることが多々あります。
自己免疫性肝炎疑いや急性肝炎疑いなどで肝生検を行ったところ、
“原発性胆汁性胆管炎(PBC)”という病気であったことを時々経験します。
PBCの診断を誤り適切な治療が遅れると予後不良になることがあり注意が必要です。
肝生検でPBCに特徴的な胆管障害像だけでなく、
肉芽腫の存在1)や、早期の銅沈着(オルセイン染色陽性)2)
から診断に至ることがあり研究もされています。
肝病理診断は非常に奥深く重要であり、肝生検はもちろん現在も不可欠な検査です。
非侵襲的検査だけでの思い込み診断で、病気が見逃されることのないように
心がけなければなりません。
- これだけ覚えておいて損はない!
今回のポイント -
肝生検は侵襲的な検査でもあり、躊躇される気持ちも分からなくはないが、
肝生検検査の結果が肝疾患診断の決め手となる事は非常に多い
非侵襲的検査だけでの思い込み診断で病気が見逃されることが無いように
しなければならない
(文:福井県肝疾患診療連携拠点病院 肝疾患センター長 野ツ俣 和夫)
2022.5.30 更新