脂肪肝の新しい疾患定義 MAFLD(NAFLDではない)
- 肝臓川柳
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待ってくれ~ 新たな指標で 拾い上げ
(待ってくれ~…まってくれ~…マッテクレ~マッフルディ~…MAFLD)
脂肪肝の患者さんは爆発的に増えていますが、
これまで非アルコール性脂肪肝(Non-alcholic fatty liver disease:NAFLD)の疾患定義は、
①脂肪肝がある
②アルコール摂取歴がない(エタノール換算男性30g以下、女性20g以下)
③他の肝疾患原因がない
としていました。
しかし、最近、新しい脂肪肝疾患の定義が提唱されています。
代謝性機能障害に伴う脂肪肝(Metabolic dysfunction associated fatty liver disease:MAFLD)といい、
①脂肪肝がある
②BMI 25以上(日本を含むアジアでは23以上)
または糖尿病、または代謝障害があるもの全て
と定義しており、アルコール歴、他の肝疾患原因の有無は問いません。
MAFLDは、
心血管イベントリスクであるメタボリックな因子を伴う脂肪肝を全て拾い上げているのが特徴です。
脂肪肝患者さんの、肝臓だけでなく体全体の予後を意識した疾患定義だと思います。
現在、MAFLDとNAFLDの臨床、意義の相違が精力的にディスカッションされています。
- これだけ覚えておいて損はない!
今回のポイント -
最近、新しい脂肪肝疾患の定義が提唱されています。
代謝性機能障害に伴う脂肪肝(MAFLD)と言い、
心血管イベントリスクであるメタボリックな因子を伴う脂肪肝を
全て拾い上げているのが特徴で、身体全体の予後を意識した疾患定義です。
(文:文:福井県肝疾患診療連携拠点病院 肝疾患センター長 野ツ俣 和夫)
2021.12.21 更新