肝トピックス

肝細胞癌に新しい治療の波! あの“免疫チェックポイント阻害薬が治療薬の主役

肝臓川柳

(I:イ)一緒なら (C:シー)新戦略で (I:イ)いい結果

(ICI:免疫チェックポイント阻害薬・・・一緒(複合療法)の新戦略が期待されている)

免疫チェックポイント阻害薬は、免疫ががん細胞を攻撃する力を保つ薬です。

がん細胞が免疫細胞による攻撃を逃れるしくみ(ブレーキ)に働きかけ、
免疫細胞の力を回復させる(ブレーキを解除する)新しいタイプの治療薬として、
京都大学 本庶佑先生がノーベル医学・生理学賞を受賞されたことは記憶に新しいことかと思います。

肝細胞癌にも1年前より使用可能となり、現在、切除不能進行肝細胞癌に対して、
免疫チェックポイント阻害薬と分子標的薬の併用療法が、一次薬物療法として推奨されています。
(肝癌診療ガイドライン 2021年版)
さらに、中等度以上に進行した肝細胞癌に対して、
肝動脈塞栓術(TACE)と免疫チェックポイント阻害薬(+分子標的薬)の組み合わせも期待されています。

相補完的な治療効果が期待され、全生存期間の延長や肝侵襲軽減の可能性が示唆されています。

複合療法(組み合わせ治療)は根治的TACEの時期を逸した肝癌の治療におけるブレークスルーとして、
今までにない新たな治療戦略と期待されています。


これだけ覚えておいて損はない!
今回のポイント

肝細胞癌にも1年前より免疫チェックポイント阻害薬と分子標的薬の併用療法が、
一次薬物療法として推奨されています。
さらに、中等度以上に進行した肝細胞癌に対して、
肝動脈塞栓術と免疫チェックポイント阻害薬(+分子標的薬)の組み合わせも期待され、
根治的TACEの時期を逸した肝癌の治療における今までにない新たな治療戦略と期待されています。

(文:福井県肝疾患診療連携拠点病院 肝疾患センター長 野ツ俣 和夫)

2021.11.27 更新

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