肝細胞癌(HCC)に対する治療法組み合わせの挑戦
- 肝臓川柳
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目指そうか 想像以上の 組み合わせ
(目指そうか…そうか…相加 + 想像以上…そうぞういじょう…そうじょう…相乗)
回お伝えした肝細胞癌(HCC)の治療法は、
比較的効果の高い抗悪性腫瘍剤の一つで ある分子標的剤の進歩により、
中等度以上に進行したHCCに対して、
肝動脈塞栓術(TACE)と分子標的剤投与の組み合わせが考案されています。
(肝癌診療マニュアル2020)
① 分子標的剤併用によりTACE後の腫瘍増悪が抑制され、
TACEの治療間隔を延長させ肝予備能の維持を図ったり
② 分子標的剤治療中に増悪した肝内病変に対してTACEを併用し、
病変を制御することにより分子標的剤治療を継続可能にしたり
③ 高度進行肝癌に対して分子標的剤を使用し、
腫瘍が縮小、減少(ダウンステージ)後にTACEを行い肝内病変を制御したり
すなわちそれぞれの利点を生かして欠点を補い、相加的、相乗的な効果を目指そうとしています。
組み合わせ治療はますます研究が進み非常に期待されています。
- これだけ覚えておいて損はない!
今回のポイント -
肝細胞癌の治療法は、
分子標的剤の進歩により肝動脈塞栓術と分子標的剤投与の組み合わせが考案されています。
それぞれの利点を生かして欠点を補い、相加的相乗的な効果を目指し、研究が進められています。
(文:文:福井県肝疾患診療連携拠点病院 肝疾患センター長 野ツ俣 和夫)
2021.10.27 更新