肝細胞癌(HCC)に対する肝動脈塞栓術(TACE)の進歩とこれからの役割り
- 肝臓川柳
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肝がんも 治癒を目指して 進歩で~す
(進歩で~す…でーす…てーす…TACE)
肝細胞癌(HCC)に対する治療は、
手術、ラジオ波焼灼術(RFA)、肝動脈塞栓術(TACE)
が3本柱ですが、
中程度の進行度(局所進行)で
肝外転移や脈管侵襲がない多発肝細胞癌(intermediate stage)では、
TACEが標準治療法です。
TACEは、カテーテルや塞栓物質の進歩、支援ソフトの発達などにより、
HCCだけを超選択的に塞栓出来るようになり、
治療効果、肝予備能温存とも飛躍的に進歩しています。
最近さらに、このTACEに分子標的剤や免疫チェックポイント阻害剤を組み合わせた
逐次的な治療法が考案されており、
中等度進行HCCのさらなる治療効果アップや
手術などに切り替えて完全治癒を目指す方針も出ており、
HCC完全治癒におけるTACEの役割はますます大きくなってきています。
組み合わせ治療の話題については、次回の肝トピックスでお伝えする予定です。
- これだけ覚えておいて損はない!
今回のポイント -
肝細胞癌に対する治療法の中でも肝動脈塞栓術(TACE)は
HCCだけを超選択的に塞栓出来るようになり、
治療効果、肝予備能温存とも飛躍的に進歩しています
最近では、分子標的剤や免疫チェックポイント阻害剤を
組み合わせた治療法などが考案され、
更なる治療効果アップ、完全治癒に向けて非常に期待されています
(文:福井県肝疾患診療連携拠点病院 肝疾患センター長 野ツ俣 和夫)
2021.9.24 更新