C型肝炎DAA治療とSVR後肝癌発生。ウイルス消失後も注意を!
- 肝臓川柳
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定検(定期検査)は SVRも 超必須
(超必須…ちょうひっすぅ…ちょうしつ…しょうしつ…消失…※消失しても定期検査は絶対必須です)
C型肝炎に対するDAA治療が開始され6年以上が経ち、
SVRとなった(C型肝炎が消失した)方が非常に多くなりましたが、
消失後の問題点も明らかになってきました。
その一つに肝癌の発生があります。
ウイルス消失により肝癌発生のリスクが減るのは確実と思われますが、
一定の割合で肝癌が発生します。
過去に肝癌治療の既往がある方は特に注意が必要ですが、
肝癌治療の既往がない方でも、
高齢者、線維化進行例、腫瘍マーカーが高めの方などは
発生割合が高いと判明しています。
さらに一度C型肝炎ウイルスが入ると遺伝子異常を来たすという研究報告もあり、
そこにアルコール、肥満などの因子が加わると肝癌発生リスクが高まるとも言われています。
C型肝炎ウイルスが消失しても、
定期的な受診、検査と生活習慣の注意が必要です。
- これだけ覚えておいて損はない!
今回のポイント -
C型肝炎ウイルス消失により肝癌発生リスクが減るのは確実ですが、
一定の割合で肝癌が発生します。
肝癌治療の既往、高齢者、繊維化進行例、腫瘍マーカー高値などは発生割合が高く、
更に一度C型肝炎ウイルスが入ると遺伝子異常をきたすとの報告もあります。
C型肝炎ウイルスが消失しても定期的な受診・検査、生活習慣の注意が必要。
(文:福井県肝疾患診療連携拠点病院 肝疾患センター長 野ツ俣 和夫)
2021.6.25 更新