肝トピックス

脂肪肝からの肝細胞癌発生~公衆衛生学上の大問題~ 脂肪肝外来の重要性

肝臓川柳

肝臓に 脂肪があるなら 医師が依頼

(医師が依頼…いしがいらい…がいらい…外来……脂肪肝外来に紹介を!)

肥満、運動不足により、メタボリックシンドロームや糖尿病とともに
肝臓病では脂肪肝患者が急増しており、
世界では10億人の脂肪肝がいて、
そのうち2000万人が肝細胞癌を発症すると言われており、
公衆衛生学上大問題となっています。

日本でも脂肪肝は約300万人、
その中で3万人以上が肝細胞癌となる可能性があります。
非常に多くの脂肪肝患者の中から
肝細胞癌リスクの高い方を拾い上げる必要がありますが、
単純性脂肪肝でなく脂肪肝炎となり肝線維化が進行していくとリスクが高くなるため、
まず血液検査で、
 ◆ALT値(30IU/L以上)
 ◆血小板数(18万以下)
 ◆Fib-4 index(1.3以上)
次に非侵襲的な検査
 ◆フィブロスキャン
 ◆MRエラストグラフィ
 ◆超音波エラストグラフィ
で肝臓の線維化の程度をみます。

これらの検査の結果、
脂肪肝炎、肝硬変の疑いが強く精査が必要と判断されると
入院の上の肝生検(肝臓の組織の一部を採取する)を指示し、
確定診断、治療方針決定をします。

これらのことを行うための “脂肪肝外来” は大変重要になってきています。


これだけ覚えておいて損はない!
今回のポイント

肥満・運動不足により肝臓の分野では脂肪肝が急増して
非常に問題になっています。
多くの脂肪肝患者の中から肝細胞癌のリスクの高い方を拾い上げるため、
脂肪肝外来は非常に重要な役割があります。

(文:福井県肝疾患診療連携拠点病院 肝疾患センター長 野ツ俣 和夫)

2021.3.23 更新

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