肝癌に対する化学療法の多様性と個別化
- 肝臓川柳
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新時代 肝癌治療に なったよぉ
(なったよぉ…なったよぅ…ったよう…たよう…多様…多様化…)
12月22日~12月23日に日本肝癌研究会が開催されました。
テーマは“新時代の肝癌診療:多様性と個別化”でしたが、
特にこのところの肝癌に対する化学療法はまさに多様化しています。
2009年に初めて分子標的剤のソラフェニブ(ネクサバール®)が使用可能となって以来、
2017年 レゴラフェニブ(スチバーガ®)、
2018年 レンバチニブ(レンビマ®)、
2019年 ラムシルマブ(サイラムザ®)、
2020年 カボサンチニブ(カボメティックス®)、
そして、アテゾリズマブ(テセントリク®)+べマシズマブ(アバスチン®)と
あっという間に
7種類の分子標的剤や免疫チェックポイント阻害剤による化学療法が可能となりました。
最初に使用する1次治療から2次治療、3次治療・・・と
患者さんへの効果や患者さんの状態に応じ、
さらに肝癌の他の治療法すなわち、
手術、肝動脈塞栓術、ラジオ波焼灼術、肝動注化学療法、放射線療法
との組み合わせにより、
それこそ多様な個別化した肝癌治療となっていくものと思われ、
最適なスタンダードな治療方針確立のために検討が続けられています。
- これだけ覚えておいて損はない!
今回のポイント -
肝癌に対する化学療法はまさに多様化してきています。
2009年の分子標的剤の発売以来、
すでに7種類の分子標的剤や免疫チェックポイント阻害剤での
化学療法が可能となってきています。
患者さんへの効果や状態に応じ、更には他の治療法との組み合わせにより
多様な個別化した肝癌治療となっていくと思われます。(文:福井県肝疾患診療連携拠点病院 肝疾患センター長 野ツ俣 和夫)
2021.1.6 更新