肝がん治療における免疫療法時代の到来!約10年ぶりに標準治療のパラダイムシフト!!
- 肝臓川柳
-
効果あり 切除不能も Hey!いいよ~
(Heyいいよ~・・・へいいいよう・・・へいよう・・・併用・・・併用療法)
免疫チェックポイント阻害剤:テセントリク(アテゾリズマブ)
および
分子標的薬:アバスチン(ベバシズマブ)
併用療法が、
2020年9月25日に「切除不能な肝細胞癌」に対し、適応追加されました。
本治療は、厚生労働省より生命予後を改善したことを踏まえ、優先審査に指定され、
既に非小細胞肺癌にも適応があり、両剤3週間間隔での点滴静注になります。
2008年に肝細胞癌治療薬が発売されてから約10年、
全生存期間で「優越性」を証明した初の治療になりますし、
奏効率でも2倍以上の改善がみられています。
また、自覚症状を有する下痢・食欲不振の発現率が低く、
食欲不振・疲労悪化までの期間改善が期待出来ます。
主な副作用として、高血圧・蛋白尿に加え、免疫関連副作用があり、
定期的な検査が必要ですが、切除不能な肝細胞癌に対する
一次治療の「第一選択」になる画期的な新治療として、大きな福音を与えます。
- これだけ覚えておいて損はない!
今回のポイント -
免疫チェックポイント阻害剤、分子標的薬が切除不能な肝細胞癌に対して、
適応が追加されました。今までの治療薬に比べて効果が高い事が認められて、
更に下痢や食欲不振の発現率が低いとも言われています。
切除不能な肝細胞癌に対する第一選択薬に期待が高まります。
(文:福井県肝疾患診療連携拠点病院 肝疾患センター長 野ツ俣 和夫)
2020.10.16 更新