微量元素の一つ“亜鉛”の肝疾患における重要性
- 肝臓川柳
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微量でも 濃度をチェック あ~エェ(良い)んか
((あ~エェんか…あぁえぇんか…あえんか…あえん…亜鉛…)微量元素も濃度をチェックして、えぇ状態にしておきましょう! )
聞きなれない言葉 “微量元素”
ー少ない量(生体内に1mg/kg体重以下)で重要な働きをするものの総称ですが、
その中でも“亜鉛”は肝疾患患者にとって非常に重要で、
慢性肝炎、肝硬変と進行すると、様々な理由で亜鉛が不足し、
食欲低下、味覚障害、皮膚炎など様々な症状が現れるだけでなく、
高アンモニア血症や発がんリスクの増加などの報告もあります。
亜鉛欠乏症の事が、亜鉛製剤の有用性とともに、
今年2019年の慢性肝炎・肝硬変の診療ガイドに記載されるようになりました。
肝疾患患者のQOLや予後の観点から、血中亜鉛濃度にも注目することが大切ですね。
『日本臨床栄養学会 “亜鉛欠乏症の診療指針2018”』
◆60μg/dL未満:亜鉛欠乏症
◆60~80μg/dL:潜在性亜鉛欠乏症
- これだけ覚えておいて損はない!
今回のポイント -
微量元素のひとつである亜鉛ですが、肝臓疾患患者さんにとっても非常に重要で、
不足によって様々な症状やリスクが高まる事も報告されており、
患者さんのQOLや予後の観点からも今後血中亜鉛濃度にも注目していく事が大切です。
(文:福井県肝疾患診療連携拠点病院 肝疾患センター長 野ツ俣 和夫)
2019.11.30 更新