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【健康経営】開催レポート|2025年度 健康管理担当者スキル向上セミナー

2025年12月10日(水)、福井県済生会病院 健診センターにて、企業の健康管理担当者を対象に「健康管理担当者スキル向上セミナー」を開催しました。 

今回は― 健診結果を“行動変容”につなげる、明日からの小さな一歩 ―と題し、**健診結果をどう読み取り、どう行動につなげるか**、読んだ瞬間から動きたくなるヒントが詰まった学びの3時間でした。



◆ 健診結果は「未来を変えるスイッチ」


健診結果は“数字の通知表”ではなく、**未来の健康を守るための「早期のシグナル」**です。

今回のセミナーでは、

 ・医師が語る「数値が示す未来」

 ・保健師が伝える「行動を起こしてもらう仕掛け」

 ・理学療法士が教える「続けたくなる運動」

という3方向から、行動変容の本質に迫りました。



#.講義1 医師

演題:生活習慣病の数値が示す「将来のリスク」― 健診データの読み解きと、未来予測の視点 ―

講師:健診センター所長・産業医 前野 孝治

 

“数字の裏側にどんな未来が潜んでいるのか”を読み解く力を磨く内容でした


“少しの異常値”が大きなリスクの入口


血圧130台 → 動脈硬化の進行サイン

血糖110mg/dL → 将来の糖尿病予備群へ

LDL120mg/dL → 心筋梗塞の潜在リスク上昇

見逃しやすい「軽度異常」こそ未来を変えるポイント。





がんは“無症状のうちに”見つける病気


胃がん

大腸がん

乳がん

など、多くのがんで

**“検診で見つかった人ほど生存率が高い”**ことが明確になっています。

だからこそ、二次検査の受診が欠かせません。



健康管理担当者が伝えるべきは「未来のシナリオ」


「数値を伝えるだけでは人は動かない。 その数字が“未来に何を起こしうるか”を伝えると、人は変わる。」

あなたも、

塩分を少し減らす

エスカレーターではなく階段を1階分だけ使う

夜の炭水化物を少し減らす

そんな“小さな習慣”から未来が変わります。





#.講義2 保健師

演題:数字が語る!当院の特定保健指導の取り組み― 受診率 6名 → 39名へ 行動変容を生んだ仕組み ―

講師:健診センター保健師 岸本 亜由美

 

特定保健指導の申込者数を6名→39名へと大幅に伸ばした実例を紹介しました。

数字の改善だけではなく、「自分の生活を見直す人が増えた」という“質の変化”も生まれています。



① 対象者への“早期・個別”アプローチ


対象者リストを即時把握

一人ひとりに合った声かけ

数値の変化を視覚的に示す資料を作成

“あなたのため”という温度感が行動の背中を押しました。




② リブレ(血糖連続測定)を無償提供


これは参加者に“衝撃と納得”を与えた施策。

食事や運動で血糖値がどう変化するかを自分で見られるため、「やってみよう」が「続けたい」に変わる実感が生まれます。



③ 組織的な仕組みづくり


労働安全衛生委員会

人事

経営層、所属長

が一体となり、対象者に声をかける体制を整備。

行動変容は担当者の努力だけでは難しいです。

組織全体で後押しすると、人は動き出します。



④ ハイリスク者には“強制力”も少し


BMIや血糖値が高いなど、改善が急務の職員には

「必ず受けてもらう」という明確なラインづくりも実施。

「優しさ」だけでなく

**“健康を守るための強さ”**も必要だと教えてくれました。





#.講義3 理学療法士

働く人の健康が企業を強くする― 続けたくなる運動習慣の作り方 ―

講師:理学療法士 土橋 仁

 

「運動は特別な人のもの」という思い込みを払拭する内容でした。

「忙しい人ほど運動が必要で、短時間でも十分効果がある」という視点は、多くの参加者がうなずく場面でした。



① 運動は“時間”より“頻度”


1分体操

デスクでのストレッチ

階段を1階分だけ使う

こまめに立ち上がる

これで血流が改善し、肩こり・腰痛・メンタルにも効果。




② 週150分の中強度運動が目標


息が弾む程度の

速歩

スクワット

ラジオ体操

などを組み合わせればOK。

**“まとめてやらなくてもいい”**という視点が行動のハードルを下げます。



③ 職場の“仕組み”が人を動かす


歩数チャレンジ

朝礼の1分体操

社内掲示で気づきをつくる

体を動かしたくなる環境づくり

「人は意志より環境で動く」という原則が印象的でした。





#.講義4 グループワーク

 

参加者同士で自社の健康課題/現在の取り組み/明日から始める工夫を付箋に書き出し、共有・具体化するグループワークを実施。模造紙いっぱいの付箋には、現場の本音と即実践のアイデアが溢れました。




出てきた主なアイデア(分類)


●動きやすい職場づくり

 階段促進掲示/朝礼1分ストレッチ/社内ウォーキングタイム/歩くミーティング/座りすぎ対策(スタンドミーティング)/ストレッチスペース

続けたくなる仕掛け

 歩数イベント(チーム戦)/健康目標ボード/健康ペア制度/社内SNSでの継続共有/小さな成功体験の見える化

食・休息・メンタル

 自販機の健康選択肢/食堂の栄養表示/「水を飲もう」キャンペーン/休憩促進/ストレスケアの強化



行動宣言(例)


来週から朝礼に1分体操を導入

階段利用促進のPOPを制作して掲示

春の歩数チャレンジを企画・告知






◆ セミナー全体を通して ー まとめ

今回の「健康管理担当者スキル向上セミナー」は、
**“健診結果をどう理解し、どう行動につなげるか”**という健康づくりの核心に向き合う3時間となりました。
前野医師からは、健診データが未来のリスクを示す“健康の羅針盤”であること、
岸本保健師からは、人が思わず動きたくなる“仕掛けづくり”の実践例、
土橋理学療法士からは、運動を日常に組み込むための“続けられる工夫”が示され、
参加者の皆さまはそれぞれの立場から健康づくりのヒントを持ち帰られました。
さらにグループワークでは、企業ごとの課題やアイデアを共有し、
「まずはこれをやってみよう」という一歩が数多く生まれました。
健康経営は一人で背負うものではなく、
仲間と一緒に試しながら育てていくものだという空気が会場全体に生まれていました。
健康づくりは、大きな目標ではなく、
“今日の小さな選択”から変えられるものです。
椅子から一度立つ、階段を一段だけ使う、塩分を少し減らす、声かけを一つ増やす——
その小さな一歩こそが、従業員の健康、働きがい、そして企業の未来を大きく変えていきます。
本セミナーで得た学びとつながりが、
皆さまの職場での健康づくりに確かな前進をもたらすことを願っています。

 


福井県済生会病院 健診センター

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