ウェルネスデスク

【健康】つらい片頭痛を正しく知ろう!症状・原因・早期発見のポイント

以前、ウエルネスデスクでは、頭痛には様々なタイプがあり、多くの方が悩まされている片頭痛や緊張型頭痛などは病気であり、解消法などをお伝えしました。


 前回までのふりかえり

 >>頭痛のタイプを知ろう!それって本当に片頭痛?(タイプ診断あり)

 >>頭の痛み、間違った対処法していない?



「頭痛」と聞くと、多くの方が経験する身近な症状です。

しかし、一口に頭痛と言っても様々な種類があり、中には日常生活に大きな支障をきたすものや、病気が原因となっているものもあります。

特に「片頭痛」は、多くの人がそのつらさを抱えながらも、「ただの頭痛」として我慢してしまう傾向にあります。

この特集では、つらい片頭痛について正しく理解し、適切な対処や予防につなげるための情報をお届けします。




片頭痛とは


片頭痛は、ズキズキと脈打つような痛み(拍動性)が繰り返し起こる頭痛です。脳の検査をしても異常は見つかりません。

15歳以上の患者さんの頭痛全体の約8.4%を占め、特に10~50歳の女性に多くみられます。日本には推定840万人ほどの片頭痛患者さんがいると考えられています。




片頭痛の前兆


片頭痛の患者さんの約20%に、「予兆」と呼ばれる頭痛が起こる数時間から1~2日前の症状がみられます。予兆には、情緒不安定、気分のすぐれなさ、肩こり、あくびを繰り返すなど様々なものがあります。

また、片頭痛には「前兆」を伴うタイプがあります。前兆は、頭痛が始まる前に現れ、5分~60分間程度持続した後、頭痛が出現する前に消失します。代表的な前兆には、以下のような症状があります。


視覚性前兆(最も一般的

 • 閃輝暗点(せんきあんてん):視野の一部に輝くギザギザした線や点が見える

 • 暗点(スコトーマ):視野の一部が見えなくなる

 • 視野欠損:視野の一部(多くは片側)が部分的または完全に見えなくなる

 • 視力低下:一時的にかすんで見える、ぼやける

 • 明滅する光や点:視野内にキラキラした光や点が見える

感覚性前兆

 • しびれやチクチク感:多くの場合、手や指から始まり、腕や顔に広がる

 • 痛み:皮膚の一部(特に顔や手)に痛みやチクチク感がある

言語性前兆

 • 言語障害:言葉が出てこない、発音が困難、言葉を理解しづらいなど

運動性前兆

 • 一時的な筋力低下:主に片側の顔や手足に現れる(片麻痺性片頭痛)

その他の前兆症状

 • めまい、耳鳴り

 • 混乱、記憶障害

 • 恐怖感や不安感

 • 平衡感覚の喪失





片頭痛の誘因(トリガー)

頭痛の頻度や程度を減らすためには、日頃からの生活習慣や食生活の見直し、誘因の特定と回避が重要です。

片頭痛の誘因は個人差が大きいですが、主なものには以下があります


環境要因

 • 天候の変化(気圧の変化、暑さ、寒さ)

 • 強い光(特に点滅する光)

 • 大きな音

 • 強いにおい(香水、タバコの煙など)

生活習慣

 • ストレス(またはストレスからの解放時)

 • 睡眠不足または睡眠過多

 • 不規則な食事(食事の抜きや空腹)

 • 脱水

 • 過度の運動

食品・飲料

 • アルコール(特に赤ワイン)

 • カフェイン(過剰摂取または急な中断)

 • 熟成チーズ(チェダー、ブルーチーズなど)

 • 加工肉(ソーセージ、ハムなど)

 • MSG(味の素)

 • チョコレート

 • 人工甘味料(アスパルテームなど)

女性ホルモン

 • 月経前後

 • 排卵期

 • 妊娠中または出産後

 • 経口避妊薬の使用

 • 更年期

薬物

 • 一部の降圧薬

 • ホルモン補充療法

 • 頭痛薬の過剰使用(薬物乱用頭痛)





早期発見のポイントと危険な頭痛

片頭痛は、適切な診断と治療によって症状をコントロールできる病気です。ご自身の頭痛が片頭痛かもしれないと思ったら、早期に医療機関に相談することが大切です。

一方で、頭痛の中には命に関わる危険な二次性頭痛もあります。

以下のような特徴がある場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。

 • 前ぶれなく突然頭痛が起きた

 • 今までの頭痛とは全く違った感じの痛みがある

 • 今までの頭痛の中で一番痛い

 • 頭痛だけでなく、発熱や手足が動かしにくい、言葉が出ないといった他の症状を伴う

 • 意識がもうろうとする、けいれんを起こすこともある





女性と片頭痛


片頭痛は、男性よりも女性に圧倒的に多くみられるのが特徴です。15歳以上の日本人の片頭痛有病率は約8.4%ですが、女性の割合は男性の3.6倍にものぼります。特に20~40代の女性に多いのは、女性ホルモン(エストロゲン)が大きく関与しているためと考えられています。

生理前や生理中に起こる頭痛の多くは片頭痛であり、若い女性の片頭痛の約60%が生理と関係しています。生理に関連した片頭痛は、一般の片頭痛よりも痛みが強く、吐き気や嘔吐を伴いやすく、薬が効きにくい傾向があります。妊娠や閉経に伴って頭痛が軽減したり消失したりすることも多いとされています。


子供の片頭痛

近年、子供の頭痛も増えており、幼稚園に通う頃から頭痛持ちの子もいます。子供の頭痛の原因としてまず二次性頭痛(脳の病気)を考える必要がありますが、一次性頭痛、特に片頭痛も多くみられます。

子供の片頭痛は大人と症状が異なることがあり、いきなり始まって比較的短時間で治まったり、頭痛だけでなく腹痛や下痢といった腹部症状が強かったり、めまいを伴うことが多かったりします。痛み方も「ズキズキ」ではなく「締め付けられるような痛み」と表現することも多いようです。これらの症状から仮病と見られがちですが、子供の片頭痛はれっきとした病気です。

詳細は別の機会でお伝えします。




頭痛はQOLや仕事の生産性を低下させます。


次回は、片頭痛が社会生活、特に仕事に与える影響と、片頭痛を持つ人がより働きやすい環境を作るための工夫について考えます。



 


 







恩賜財団済生会のホームページでは、済生会グループとしての活動や症状別病気の解説など、様々な情報を公開しています。

 

>>片頭痛の詳細はこちら


 


 



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