ウェルネスデスク

【健康経営】INVEST IN WELLNESS vol.9 制作現場レポート

健康に向き合うきっかけは、数値の結果ではなく、一人ひとりの実感にあるのかもしれません。
2026年度のINVEST IN WELLNESSでは、「幸せの好循環」をテーマに、地域社会で健康づくりを先導する人たちの声を届けます。

日本一の幸福度、あなたには実感がありますか?

INVEST IN WELLNESS Vol.09では、「幸福実感の共創」に焦点を当て、福井県未来戦略課の皆さんが取り組む、官民でつくる新しいウェルビーイングの形を紹介します。
Webページでは、誌面では伝えきれなかったエピソードを通して、これまでの「一律公平」の枠を超え、一人ひとりの多様な幸せを、地域全体の幸せにつなげていく挑戦を追いました。

INVEST IN WELLNESS Vol.09
INVEST IN WELLNESS Vol.09の表紙

「主観的な実感」も大事に

行政として幸福度ランキング日本一という結果に誇りを持っていた中で、転換点となった出来事は何でしょうか。

飛田さん

きっかけは4年ほど前、福井県が5回連続の幸福度日本一になったタイミングでした。行政マンとして誇らしい気持ちでいたのですが、その日のニュースで県民の方が「日本一だけど実感がない」とコメントされているのを観て、本当に雷に打たれたようなショックを受けたんですね。
ただ調べてみると、ウェルビーイングには「客観的」と「主観的」の2つの視点があったんです。
幸福度ランキングは「客観的ウェルビーイング」と言われる統計上の指標(学力テストの点数、所得など)を評価いただいたものですが、一人ひとりの実感からくる「主観的ウェルビーイング」とは別であることに気づきました。
この、主観的な幸福感をアップさせるところに福井の“幸せの伸びしろ”があると考え、活動をスタートしました。
しかしながら主観的な幸福は一人ひとり多様であり、行政だけの取組では主観的な幸福感を高めるのは、非常に難しいことでもあったのです。

取材場所は民間の方や県外の方も立ち寄りやすい「PLAYCE」という場所で行われました。 https://playcity.or.jp/playce

演劇で伝える幸せと、36のプロジェクト

多様な幸せに応えるために、どのような取り組みをされたのですか?

飛田さん

昨年度、官民共創の組織「ふくウェル」を立ち上げたところ、1年間で36のプロジェクトが生まれました。ほぼ週1ペースでプロジェクトが生み出されたのは、私の中でもいい驚きでしたね。それらはすべて企業や団体の方々の「これをやりたい」という想いを形にしていったものです。
例えばPTAや学校の先生の方々とコラボした小学生向けの演劇では、心理学の「リフレーミング」という考え方を劇に落とし込みました。
最初は「ウェルビーイングを講演で話してほしい」という依頼だったのですが、小学生には伝わりにくいだろう、ということで。良い面に目を向けるヒーロー「イイメンジャー」が登場する劇を作りました。

官民共創は様々な相乗効果がありますが、飛田さんたちは大変そうですね。

飛田さん

それが仕事ですから(笑)。
一方で、PTAの方々はボランティアですが、一生懸命練習や準備をしてくださいました。結果として劇の本番当日は600人もの親子が集まり、「考え方一つで気持ちが変わることがわかった」や「子供と観てよかった」などの声をいただきました。行政だけでは実現できなかったエネルギーを感じて、大きな手応えになりましたね。

今後やっていきたいことや増やしたいプロジェクトはありますか?

飛田さん

3年間で100のプロジェクトを官民で作ることができたら、幸福県としての象徴的な取り組みになると考えています。企業や団体の「願い」を出発点にして、多様な福井のウェルビーイングの姿を見える化していきたいです。今後は県外の大学や企業との共創も増やし、福井の幸福実感を高める選択肢を広げたいです。
プロジェクトのレポートや参加者の声はnoteにまとめていて、最終的にnoteに100の事例が並ぶのを目指しています。
もう一つ力を入れたいのが「外への発信」です。
北陸新幹線の効果も相まって、福井は幸福実感でも全国トップクラスに躍進しました。これを県外や世界へ発信して、外からも評価されることで、県民の皆さんが自分たちの生活を誇らしく思える。そうした環境を作っていきたいです。

表紙撮影の裏側です。皆さんの和やかな雰囲気から、対話の大切さが伝わってきました。

POINT!

幸福実感共創ラボ「ふくウェル」の活動
3年間で100のプロジェクト創出を目指し、民間企業や団体の「ウェルビーイングへの願い」を一緒に形にしています。Instagramでイベント告知を、noteでは活動のアーカイブを発信しています。

福井県公式サイト https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/seiki/well-being.html

ふくウェル note https://note.com/fukuwell

無理なく続く幸せの土台は、どこにある?

生活を改善し、ウェルビーイングを維持していくために、まず大切にすべきことは何でしょうか。

飛田さん

ウェルビーイングは「体と心と社会的な繋がりが良い状態」と定義されます。自分の心や体の健康を犠牲にして、仕事を優先しすぎるのは、持続的ではないなと思うんです。例えば睡眠時間を削り続けるとかです。自身の健康という土台があってこそ、社会との良いつながりも持てる。そこがウェルビーイングのベースだと思います。

私のウェルビーイング・ルーティン

具体的に明日から取り入れられる「幸せの習慣」はありますか。

一葉さん

私は最近、意識して家族や職場で幸せについて話す機会を作るようにしました。そうしたら、自分でも「笑顔が増えたかな」と感じられるようになったんです。

飛田さん

幸せについて対話をしている人ほど幸せ実感が高いというデータがあります。手軽に始めていただける習慣かなと思います。

尾崎さん

私は、一日の最後に必ず自分の好きなことをして、幸せな気持ちで眠るようにしているんです。そうすると、翌朝を新しい気持ちで迎えられるんですよ。

飛田さん

私は一時期、日記をつけていました。幸せに感じたことや、逆にウェルビーイングが下がったことを書くんですけど、私の場合、下がった原因のダントツは「妻の機嫌を損ねたこと」でした(笑)。
一人ひとりにあった小さな幸せのアクションに取り組んでいただけると良いと思います。
幸せは「友人の友人の友人まで伝わる」と言われています。一人ひとりの幸せの小さな一歩から、県全体に幸せは広がっていきます。ぜひ「ふくウェル」のプロジェクトにも参加いただけるとうれしいです。

「オール福井」で、世界に誇れる幸せを

飛田さん

健康とウェルビーイングは親和性が高いです。済生会病院さんは以前から病院全体でウェルビーイングを推進されていて、昨年度は「ふくウェル」と「睡眠」をテーマに共創しました。今後は病院と大学、病院と企業といった具合に、さらに幸福実感の共創を広げていただき、県内のモデルケースになっていただくことを期待しています。
これまで培った「幸福度日本一」の社会基盤の上に、多様で持続的な幸福実感を積み重ねる。これを行政だけでなく「オール福井」で取り組むことが、世界に誇れる福井モデルだと思っています。

POINT!

2026年度 済生会フェア
済生会フェアは地域の皆さんと交流し、済生会をもっと知っていただくためのイベントです。
健康・医療・福祉について、楽しく学び、体験しましょう!
日時:2026年10月25日(日曜日)
場所:福井県済生会病院

福井県済生会病院公式サイト https://www.fukui-saiseikai.com/

健康診断を続けることが、Happy Life継続の土台に!!

「明日は、何をしようか」と、夜少しわくわくした気持ちでベッドに入る幸福感は健康な身体があってこそのもの。こころの充実感や前向きな気持ちになれるのは、その土台に良い心身の状態があってこそなのです。
多くの人にとって、その入り口になるのが「健康診断」や「人間ドック」です。
健診は、今の健康状態を確認するだけでなく、自分では気づきにくい体の変化を客観的に知る機会でもあります。臨床医としてこれまで多くの患者さんと向き合い、現在は健診センターで受診者の方を見守る岡藤先生に、健康診断が果たす役割について伺いました。

自覚症状がない人ほど、健康診断が大切なのはなぜでしょうか。

岡藤先生

「何ともないのに、なんで健康診断を受けなければいけないのか?」と思われる方はいると思います。病院は「何か症状が出たら行くところ」、というイメージがありますから。
でも、健康診断の目的は「気づく(自覚症状が出る)前」に異常を見つけることなのです。症状としては何も出てなくても、体の中では病気が始まっていたり、この先病気につながる変化が起きていたりすることがあります。異常が見つかった時点で改善すれば病気の予防になりますし、すでに病気だったとしても、症状が出る前の早い段階で見つけられれば、その後の治療期間は一般的に短くまた、軽くて済むことが多いのです。
臨床では、「年齢のせいだろう」「運動不足が原因だ」「たばこを吸っているからせきや痰が出るのは当たり前」と思っていた方が、健康診断をきっかけに病気が見つかることは少なくありません。長年一緒に暮らしている家族も、いえ長年一緒に暮らしているからこそその変化は気づきにくいものです。だからこそ、自分では気づきにくい部分を客観的に確認できる健康診断に大きな意味があるのです。

健康診断を毎年受けることの意味は、どこにありますか。

岡藤先生

定期的に受ける一番のメリットは、過去のデータと比較できることです。
一回だけの結果では分からなくても、「去年より少し数値が変わってきた」「前よりここが悪くなってきた」という変化は、継続して受けているからこそ見えてくるのです。
その変化を見ながら、「まだ病気ではないけれど予防が必要な段階ですね」とお伝えする方もいれば、「詳しい検査を受けた方がいいですね」とご案内する方もいます。
健康診断は、異常があるかどうかを“一度確認して終わり”ではありません。毎年の積み重ねが、その人自身の健康の変化を知る大切な記録になっていくのです。

POINT!

人間ドック
自分の健康状態を総合的に確認し、病気の早期発見や予防につなげるための健診です。特定健診(特定健康診査)の内容も含まれ、生活習慣病をはじめとするさまざまな健康リスクを確認できます。
※加入している健康保険組合や勤務先によっては、受診費用の補助を利用できる場合があります。  詳細は、各健康保険組合または勤務先の担当窓口へご確認ください。

健康診断を続けるために、大切なことは何でしょうか。

岡藤先生

実は一番気になっているのは、定年退職をきっかけに健康診断を受けなくなる方が多いことです。
会社勤めの間は職場健診がありますから、受けることが当たり前になります。でも退職すると、強制的に健康診断を受けるという“縛り”がなくなってしまうのです。自宅にそれぞれの自治体からの健診案内が届いても受診は任意となっていることから、「元気だから大丈夫」と受けなくなってしまう方のです。
外来で症状が出て受診された方にお話を聞くと、「退職してから健康診断を受けていなかった」というケースは決して少なくありません。どんどん病気のリスクが高くなって行く年代だからこそ、そのタイミングで健康診断をやめてしまうのは、大変もったいないことだと感じます。
だからといって、やみくもに特別な検査を受けなければならないということではありません。胸部エックス線や血液検査などの一般的な健康診断を継続することが重要なのです。
健康診断は一度受ければ終わりではなく、続けることで意味が生まれます。「今年も案内が来たから受けようかな」と思えるような“きっかけ”があるだけでも、受診につながるものです。
健康診断は一度受ければ終わりではなく、定期的に受けることで、過去の検査結果と比較しながら体の変化を確認できます。だからこそ、「今年も健診の時期ですよ」と案内が届いたら、今一度の自分の体を確認するきっかけにしてもらいたいです。
健康でいるために特別なことをするのではなく、毎年、自分の体と向き合う時間を持つ。その積み重ねが、「明日、何をしようか」と前向きに過ごせる毎日につながっていくのではないかと思います。

POINT!

年に一度、自分の身体を振り返る機会を
人間ドック、健康診断のご予約・お問い合わせ
福井県済生会病院・健診センター
050-5526-1787(AI電話)

健診センター公式サイト https://www.fukui-saiseikai.com/health_check/

取材を終えて

今年度のシリーズでは、福井県未来戦略課の飛田さん、一葉さん、尾崎さんが、官民の垣根を超えて「個人の幸せを紐解く」ために奔走する姿を追いました。
行政が正解を提示するのではなく、一人ひとりの「幸せの形」に寄り添い、共にプロジェクトを創り上げていく。
そのバトンはいま、これを読んでくださっているあなたに手渡されています。


050-5526-1787(AI電話)

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