【健康経営】開催レポート|個人と組織を強くする女性の健康リテラシー向上講座
女性のライフステージごとに直面する健康課題に向き合う。
自分らしく輝く豊かな人生と、やりがいのあるキャリア。その土台となるのは「自分自身の健康」です。今回も健康経営プロジェクトを支援させていただいている大野和光園様よりご依頼をいただき、女性向け健康講座を開催致しました。
職員の約8割が女性であり、ライフステージごとに直面する健康課題に向き合い、個人として組織の一員としてイキイキと働ける職場づくりを促進したいということで、20代の月経トラブルから50代の更年期まで、働く女性が直面する健康課題への正しい理解=「リテラシー」の重要性について、当院産婦人科主任部長の黒川先生に詳しく解説していただきました。
データが示す、女性の健康と組織の未来
「Diversity Wins (2020)」レポート
「月経前緊張症(PMS)」より
「妊産婦死亡に関する実態調査」
「いもきんつば」から学ぶリテラシー
黒川先生は、リテラシーを「情報を正確に理解し、活用する力」と定義し、例えば大野になじみの深い「いもきんつば」を食べる際、単に「美味しい」と思うだけでなく、ルーツや原材料、アレルギー情報を知ることで、より安全に美味しく食べることができると説明されました。
自分の身体についても全く同じです。
身体の変化を正確に理解することで、不安を解消し、より自分らしく人生を謳歌できるようになります。家族を優先しがちな女性こそ、まずは「自分を深く知ること」が大切であることをやさしい口調ながら、熱量を感じる瞬間でした。
ライフステージ別:心身のメカニズムを理解する
1. 月経:PMSの原因のひとつは「セロトニン」の低下
月経前のイライラや落ち込みは、ホルモンの波に合わせて脳内の「幸せホルモン(セロトニン)」が減ってしまうことが原因のひとつとして考えられます。ピルなどでホルモンの波を平らにしたり、セロトニンを補うお薬を使うことで、パフォーマンスの改善が期待できます。
2. 妊娠・不妊:4.4組に1組が悩む時代
不妊は決して珍しいことではなく、WHOの定義では、避婚せず12ヶ月妊娠しない状態を指します。妊娠前から健康を整える「プレコンセプションケア」が重要です。葉酸の摂取やワクチンの接種など、未来への備えをパートナーと共に始めましょう。
3. 産後:休息こそが最大のケア
産後は情報過多になり、孤独を感じやすい時期です。済生会病院でも宿泊型等のケアを行っています。孤立せず、プロの手を借りることは、お母さんと赤ちゃんの命を守るための大切な決断です。
4. 更年期:環境調整と医療の併用
閉経を挟む前後10年間は、ホルモンが大きく「揺らぎ」ながら低下します. ウォーキングやヨガなどのセルフケアに加え、「家事は全部自分がしなくていい」という環境調整が有効です。
組織の試み:相談アルゴリズムの社会実装
「上司に相談しにくい」という悩みを解決するため、現在、黒川先生の監修のもと健診センターにて、スマホから匿名で症状をチェックし、最適なアドバイスや医療へ繋げる「相談アルゴリズム」の開発を進めています。
アルゴリズムが目指すもの
- 個人の特定を避けつつ、組織全体の不調傾向を把握する
- 適切なタイミングでの受診を促し、働く女性を孤立させない
- 心理的安全性の高い、持続可能な職場環境をつくる
医師からのメッセージ
「我慢を美徳とせず、あなたの健やかさを最優先してください」
自分の身体の変化に詳しくなることは、決して恥ずかしいことではありません。正しく知ることは、不必要な不安を消し、人生を安全に、より良く楽しむための「自分を守る武器」になります。
女性がパフォーマンスを100%発揮できることは、組織の収益やイノベーションに直結します. 我慢して耐えるのではなく、医療やテクノロジーを味方につけて好調を維持する。それが個人にとっても組織にとっても最善の選択です。
女性の健康は「予防」できることが非常に多いのです. 更年期を人生の終わりではなく、輝く第2のステージの始まりにするために。健康な時からかかりつけ医を持ち、自分自身のメンテナンスを怠らないでください。
女性の健康は、予防できることが多いのです。健康な時から始める病気予防を大切に。
第2の人生を明るく幸せに過ごしましょう。
福井県済生会病院 健診センター|ウェルネスデスク
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