【健康経営】福井県警察本部 禁煙・口の健康セミナー Report.vol1
2025年7月10日、福井県警察本部にて、福井県済生会病院 呼吸器外科顧問であり禁煙認定専門指導医でもある小林弘明氏、慢性呼吸器疾患看護認定看護師の鍋島美鶴氏による禁煙をテーマにした健康教室を開催しました。
会場には多くの参加者が集まり、タバコに関する最新の医学的知見や社会的背景、禁煙治療の実際について、スライドを交えながらわかりやすく解説されました。参加者の多くが熱心に耳を傾け、講演後には「知らなかった事実ばかりで驚いた」「禁煙に挑戦してみようと思った」といった声が聞かれました。
演題:タバコの嘘と真実、正しく知って禁煙にチャレンジ!
講師:小林弘明 福井県済生会病院 呼吸器外科顧問、禁煙認定専門指導医
■ タバコの最新情報
小林先生はまず、タバコに含まれる化学物質の危険性について説明されました。タバコの煙には約5,300種類の化学物質が含まれ、そのうち約70種類が発がん性物質です。ニコチンは強い依存性を持ち、麻薬と同等の作用があることが紹介され、喫煙が脳血流を40%も低下させることや、肺がん死亡率が非喫煙者の50倍に達するという衝撃的なデータも示されました。
■ 受動喫煙と三次喫煙の危険性
受動喫煙のリスクについては、「副流煙の方が主流煙よりも有害物質が多く含まれている」という事実が強調されました。さらに、喫煙後45分間は呼気に有害物質が含まれるため、屋外での喫煙でも周囲に影響を与える可能性があることが説明されました。また、衣服や髪に付着した残留物質による「三次喫煙」も健康被害の原因となることが指摘されました。
■ 職場におけるタバコ問題
職場での喫煙がもたらす健康リスクや生産性への影響についても触れられました。喫煙者は労災リスクやメンタルヘルス不調のリスクが高く、企業として禁煙を推進することが「健康経営」にもつながると説明されました。実際に「喫煙後45分間は職場に戻らない」などのルールを導入している自治体や企業の事例も紹介され、参加者の関心を集めました。
■ 日本と世界の禁煙事情
日本国内では健康増進法の改正により、公共施設や飲食店での喫煙規制が強化されています。世界的にも禁煙の流れは加速しており、「無煙世代」の誕生を目指す国も出てきています。タバコ会社による巧妙なプロパガンダに惑わされず、正しい情報をもとに禁煙に取り組むことの重要性が語られました。
■ 禁煙治療の実際
禁煙治療については、ニコチンパッチやガム、チャンピックスなどの禁煙補助薬の紹介がありました。禁煙による健康改善のタイムラインも具体的に示され、禁煙開始から20分後には血圧が正常化し始め、10年後には肺がんのリスクが1/10になるなど、禁煙の効果が段階的に現れることが説明されました。また、保険適用による禁煙治療の条件(TDSスクリーニング、ブリンクマン指数)についても詳しく解説されました。
演題:禁煙のポイント
講師:鍋島美鶴 慢性呼吸器疾患看護認定看護師
■ 喫煙が引き起こす「肺の生活習慣病」COPDとは?
講義の冒頭では、喫煙によって引き起こされる代表的な疾患「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」について解説がありました。COPDは、タバコの煙などの有害物質を長期に吸入することで肺が傷つき、呼吸困難や咳・痰などの症状が現れる病気です。
喫煙者の約20%が罹患するとされ、進行すると酸素療法が必要になることもあります。鍋島Nsは、非喫煙者と喫煙者の肺の画像を比較しながら、肺の変化を視覚的に示し、参加者の関心を引きつけました。
■ 禁煙支援は「チーム医療」で
福井県済生会病院では、禁煙を「治療の一環」として位置づけ、医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・検査技師・事務職員など約20名が連携して禁煙支援を行っています。
禁煙教室は毎週木曜日14時から開催され、医師による講義のほか、薬剤師による禁煙補助薬の説明、看護師によるカウンセリング、検査技師による呼気中一酸化炭素(CO)測定など、専門的かつ多角的な支援が受けられます。
■ 禁煙治療は保険適用で安心・経済的
禁煙治療には、ニコチンパッチやニコチンガムなどの禁煙補助薬が使用されます。保険診療が適用されるため、自己負担は約11,000~14,500円程度。これは1ヶ月のタバコ代とほぼ同額で、経済的にも禁煙のメリットは大きいです。
福井県内には、保険で禁煙治療が受けられる医療機関が119施設あり、全国では16,255施設(2025年5月現在)。禁煙を始める環境は整っています。
■ 禁煙成功のコツは「ちょっとした工夫」
禁煙成功者88人へのアンケートでは、禁煙時に役立ったグッズとして以下が挙げられました:
• 第1位:氷・冷たい水
• 第2位:深呼吸
• 第3位:酢こんぶ・ミント菓子
• 第5位:運動
• 第6位:熱い飲み物・ガム
一方で、電子タバコや加熱式タバコは禁煙には逆効果とのこと。行動療法を取り入れながら、無理なく禁煙を続けることが大切です。
■ 禁煙は「自信」より「気持ちと勇気」
鍋島Nsは、「禁煙に必要なのは自信ではなく、タバコをやめたいという気持ちと、やってみようという勇気」と語り、参加者に力強いエールを送りました。
禁煙を始める理由は人それぞれ。「手術を控えている」「孫が生まれる」「会社が禁煙になった」「タバコが高くなった」など、どんな理由でも構いません。大切なのは、きっかけを大事にすることです。
■ メッセージ
タバコは「嗜好品」ではなく、健康を脅かす「依存性のある有害物質」です。禁煙は、あなた自身の健康だけでなく、家族や職場の仲間の健康を守ることにもつながります。福井県済生会病院では、禁煙教室・禁煙外来を開設しておりますので、お気軽にご相談ください。
福井県済生会病院 健診センター
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