【健康】開催レポート|専門家と体験!「おやすみ力」を高めるヒント -済生会フェア2025・快眠講座より-

【開催レポート】
専門家と体験!「おやすみ力」を高めるヒント
-済生会フェア2025・快眠講座より-
「最近、よく眠れていますか?」年齢や性別を問わず、多くの人が抱える睡眠の悩み。その解決のヒントを専門家と体験するため、去る2025年9月21日(日)に催された「済生会フェア2025」の中で、「みんなで快眠! おやすみ力UP講座」を開催いたしました。本イベントは、県民のみなさんの幸福実感向上を目指す官民共創組織「ふくウェル」の取り組みとして、福井県との共催により実施しました。
当日は満員御礼となり、睡眠への関心の高さを改めて実感いたしました。この記事では、残念ながらご参加いただけなかった方や、内容をもう一度復習したいという方のために、当日専門家から語られた「おやすみ力」を高める具体的なスキルをダイジェストでお届けします。

医師が語る、睡眠とリラックスの話
講座の前半では、福井県ウェルビーイングコーディネーターで、心療内科医の大武陽一先生にご登壇いただき、睡眠とリラックスに関する講義と「自律訓練法」の実践を行いました。
睡眠とリラックスのお話では、私たちの体には活動のための「交感神経」と、休息やリラックスのための「副交感神経」があると解説。今回体験する自律訓練法は代表的なリラクセーション法であり、心理的な安定や生活の質(QOL)の向上に役立つという研究結果(エビデンス)も示されました。
先生が「自律訓練法」を勧める理由は、その「手軽さ」にあります。「一人で練習できる」「場所を選ばない(先生は電車の中でも実践するそうです)」「数分あればできる」といったメリットがあり、忙しい毎日の中でも無理なく続けられるのが大きな魅力です。

講座の中で先生は、「まずは1日3回、2週間続けてみてほしい」と呼びかけていました。1回で劇的な効果が出るものではなく、そうやって練習を重ねることで、だんだんと心と体を上手にリラックスできるようになっていくそうです。
理学療法士と体験する、心を整える時間
後半では、当院リハビリテーション部の理学療法士・竹原康浩が登壇し、睡眠の質を高めるヒントとして「マインドフルネス」の体験を紹介しました。

講座の冒頭では、会場全体がクスッと笑いに包まれるユニークなアイスブレイクも。緊張がほぐれ、参加者の表情も自然と柔らかくなります。こうした“笑い”や“動き”も、心身のリラックスに効果的です。「宗教色を抜いた瞑想のようなものです」という分かりやすい説明から、「マインドフルネス」の体験が始まりました。
竹原は、マインドフルネスを「意図的に、今この瞬間に、価値判断にとらわれることなく注意を向けること」と説明。決して「無になろう」と頑張るのではなく、「ただ、今の自分の呼吸に注意を向ける」ことがポイントだと語ります。練習中に考え事が浮かんでも、「ダメだ」と自分を責める必要はありません。「あ、考え事をしていたな」と、ただ気づいて、またそっと呼吸に意識を戻す。「この『それたら戻る』の繰り返しこそが、心を落ち着ける素晴らしい練習になるんですよ」と語りかけ、参加者の皆さんもリラックスした表情で取り組んでいたのが印象的でした。
今日からできる「おやすみ力」UPトレーニング
今回の講座では、知識を得ることに加え、実際に体験し、気軽に実践できるスキルを持ち帰っていただけるよう工夫しました。ここで、当日体験した2つの方法をあらためてご紹介します。
心と体のリラクセーション「自律訓練法」
今回、気軽に実践できる自律訓練法の簡略版を実施しました。簡略版でも、リラックス効果の8割が得られるとのこと。リラックスできる姿勢で、心の中で以下の言葉をゆっくり感じてみましょう。
1.「気持ちが、落ち着いている」
2.「両手、両足が、重たい」
3.「「両手、両足が、温かい」
※自律訓練法を実施すると、筋肉が緩みます。終わった後すぐに動くと転ぶこともあります。最後に必ず手のグーパーや伸びをする「消去動作」をしましょう。就寝前に実施する場合は、そのままお休みいただいて大丈夫です。
今ここに集中するマインドフルネス「静坐瞑想」
静かに座り、自然な呼吸に意識を向けます。
1.呼吸を感じる
鼻を通る空気、胸やお腹の動きなど、呼吸を一番感じやすい場所に注意を向けます。
2.注意がそれたら、気づく
考え事や感情が浮かんできたら、そのことに「気づき」ます。
3.優しく戻す
自分を責めるずに、ただ優しく、再び呼吸の感覚に注意を戻します。
まとめ
今回の講座で見えてきたのは、特別な薬や道具がなくとも、簡単に実践ができる「スキル」で、日中の緊張をリセットし、睡眠力アップにつながるということでした。私たちは、このスキルが、睡眠の悩みを抱える方はもちろん、日中のストレスを和げたいと感じる学生や社会人、子育て世代からシニアまで、すべての人にとって、日々のわずかな時間で心を満たす、ささやかなきっかけになると強く感じました。
済生会病院は、今後も「ふくウェル」の取り組みなどを通じて、福井県民の皆様のウェルビーイング向上に貢献してまいります。ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。
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