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2. 子宮から生活習慣の影響が始まる
子どもにとって最初の生活環境は子宮です。出生前の生活環境も子どもの健康に大きな影響を及ぼします。妊娠中の喫煙により、流産、早産が多くなること、周産期死亡率が高くなること、子どもの身体発育や知能発達の遅延が起こることが以前から指摘されています。しかし、近年喫煙率が下がっている中で、20代女性の喫煙率だけが上昇しているのは由々しきことです。妊娠が分かってから禁煙しても胎児への影響を防ぐことはできません。
(妊婦と夫の喫煙と低出生体重児の頻度:資料2)
妊娠可能な女性すべてが受動喫煙も含めて喫煙の影響を被らないように、子どもの時から禁煙を教育し、社会全体で喫煙率を下げる努力を今以上に行う必要があります。
3.子どもの生活習慣の問題は大人の責任
夜中に子どもをコンビニや盛り場などへ連れてきている親を見かけますが、子どもの生活リズムを破壊していると親は考えていないかも知れません。このような常識のない困った大人の存在が子どもの生活習慣の乱れの背景にあります。
4.テレビやゲームの影響
全米ケーブルテレビ協会と全米テレビジョン暴力研究会による研究によると、テレビ視聴は行動模倣により数多くの悪影響が起こります。児童はテレビの暴力行為を見ることにより攻撃的な行動と態度を学習します。
(3歳児のテレビとビデオの視聴時間:資料3)
その結果、暴力の恐ろしさに対する感受性が低下し、実際の生活で暴力の犠牲になることを恐れないようになります。それに、平均視聴時間(4時間)を1時間超えるごとに思春期肥満頻度が2%増加することも示されています。わが国の調査でも肥満児にテレビ視聴時間が長いことが指摘されています。
(家庭とこのテレビ視聴時間と有意語出現の遅れ:資料4)
片岡直樹川崎医大小児科教授は、言葉の遅れ,表情が乏しい,親と視線を合わせないなどの症状を抱えて受診する幼児の中に,テレビ・ビデオ(以下,テレビと記す)長時間視聴児で,視聴を止めると症状が改善する一群があることを報告(日本小児科学会雑誌 106:1535-1539,2002)しました。家庭と児のテレビ視聴時間が長くなると有意語出現の遅れもみられ、テレビを1ヵ月止めて劇的に変化した事例もあります。
家島厚はテレビ・ビデオを1ヵ月間中止した後に子どもにみられる変化として次のような現象を挙げています;親のそばに寄ってくるようになった。視線が合うようになり、見てみて行動など感情表現が増加。呼んで振り返る。遊びの中での振り返りが増加した。聞き取りがよくなり、指示に従うこともよくなった。ことばでやり取りができるようになり、ことばが明瞭になった。ことばが急激に増加。独語が減少した。落ち着きがでてきた。着席行動が改善した。母親、園の先生、友達の模倣が出てきた。友達の中に入って遊ぶようになった。色々なおもちゃに興味が出て、操作遊びが上手になった。絵が上手になった。自分の思い通りにならなくても、泣かなくなった。
米国小児科学会は、「2歳以下の子どもにテレビを見せない。両親は子どものテレビ視聴をモニターし、視聴時間を1日につき1〜2時間に限るべきであり、テレビ番組の内容についても話し合う必要がある。」と勧告しています。日本小児科学会も乳幼児へのテレビ・ビデオの見せ方を、「(1)2歳以下の子どもにはテレビ・ビデオを長時間見せない、(2)テレビをつけっぱなしにしない、(3)乳幼児にテレビ・ビデオを一人で見せない、(4)授乳中や食事中はテレビをつけない、(5)乳幼児にもテレビの適切な使い方を身につけさせる、(6)子ども部屋にはテレビ・ビデオを置かない」という6項目を2004年に提言しています。

5.遊びの意義を再発見しよう
子どもの成長・発達にとってその時期に必要なことを十分にさせることが最も大切です。子どもの「遊び」は単なる遊びではありません。子どもの「遊び」は生活に根をおろしながら、自発的に決定した活動で、創造的活動であす。
子どもは遊びながら成長していて、いたずらが知的能力を開発します。子どもの成長・発達における遊びの意義について、生活習慣を問い直す中で、みなさんに今一度考えていただきたいと思っています。体、心、知性は生きていくために欠かせない三要素であす。しかし、現在の子育ての中で知性、知育が最重視されているきらいがあります。育てる順序は、体が最初で、次いで心、知性は最後でよいと前川喜平先生が述べられているように、遊びの中で意識せずに身体を動かし、心を育てることが子どもの発達にとって大きな意味をもっています。お受験の前にもっと本質的で大切なものを忘れていませんか。

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