
がん化学療法看護認定看護師
中川 敦子
「抗がん剤の副作用ケア」に焦点を当てて、お話をしたいと思います。
「がんの治療法」として、手術、放射線療法、抗がん剤の3つの方法があり、抗がん剤はその1つになっています。
抗がん剤の治療を受けている方の多くが、副作用について不安や苦痛を感じていると思います。副作用の対処方法には内服や食事の工夫等がありますが、本日は自分自身で取り組める方法について下記の通り、図式(1〜4)とQ&Aでご紹介します。
抗がん剤の特徴は、がん細胞のように「速く増殖する細胞」を壊すことにあります。
しかし、正常細胞にも増殖の速いものがあり、その正常細胞にも影響を与えるため症状として現れます。
* 抗がん剤治療と副作用が出現しやすい時期(図1)
- Q.抗がん剤を投与すると必ず副作用症状が出るの?
A.薬剤によって出現しやすい副作用はありますが、必ず出現するとは限りません。
症状の出現には、個人差があります。最近は副作用を抑える薬物も研究されているため、投与することで予防することができます。

- Q.吐き気は絶対あるの?対策は?
A.吐き気を起こしやすい薬物もあります。しかし実際は、吐き気を抑える薬を治療前に点滴しているため、吐き気を抑えられます。
治療後の数日間も、吐き気止めを内服することで十分抑えられます。
| 図1 |
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* 自分でできることは(図2)
- Q.白血球が下がったらどうなるの?
A.体の抵抗力が弱くなり、細菌やウイルスに感染する可能性があります。
しかし、必ず感染するとは限りません。細菌やウイルスに感染しなければ大丈夫!!

<では、どうするの?>
手洗い・うがい・歯磨きを行い、清潔にすることで感染の予防ができます。
| 図2 |
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*感染を防止するために(図3)
- 手を洗いましょう(帰宅後、食事前、排泄後など)
- 手指を流水でぬらし、石けん液を適量取り出す。
- 手の平と手の平をよくこすり泡立てる。
- 手の甲を、もう一方の手の平でこする(両手とも)。
- 指を組んで、両手の指の間をこする。
- 親指をもう一方の手で包み、こする(両手とも)。
- 指先をもう一方の手の平でこする(両手とも)。
- 両手首までていねいにこする。
- 流水でよくすすぎ、タオルでよく水気を拭き取る。※(2)〜(8)を30秒間行う
| 図3 |
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*口内炎を防止するために(図4)

健康教室の様子
- Q.白血球を増やす食事はあるの?
A.食品で白血球を増やすものはありません。注射薬ではあります。少なかったときは医師の判断で注射することになります。

- Q.白血球はもとにもどるの?
A.抗がん剤の影響を受けている細胞は一時的に減少しますが、身体の中には活動していない細胞もたくさんあります。
その細胞が活動しはじめたときに、どんどん増えてきます。

- Q.脱毛すると髪の毛は生えてこない?
A.治療が終了すると、2〜3ヵ月後に生え始めます。1年ほど経過すると、治療前と同じぐらいの長さになります。
しかし、髪質・色は変化することが多いです。

- Q.脱毛のときはどうするのか?
A.かつらの使用・帽子の着用・バンダナの使用
ご自身の生活スタイルを考え、かつらの購入・帽子の使用を選択してください。
かつらは人毛、人工毛など種類があります。
ご不明な点は看護師へお尋ねください。

- Q.洗髪の方法は?
A.頭皮は清潔を保つことが大切です!
2日に一度は洗髪することをお勧めします。
やさしい洗髪の方法の1つとして、下記のような方法があります。
- 2〜3分頭皮・髪の毛をすすぎましょう。
- シャンプーを手のひらで泡立てます。
- 泡を、地肌に直接つけ頭皮を動かすように洗いましょう。(こすらない)
- お湯で泡をしっかり落としましょう。
- リンスは毛先のみにつけましょう。
- ドライヤーは冷風・温風を交互に行い乾燥させてください。

- Q.脱毛しないための対策は?
A.ありません。脱毛の程度は、薬によって差があります。
しかし治療を何回か繰り返し行うことで髪の毛の量は徐々に少なくなります。

- Q.生活習慣を変える必要がある?
A.治療前の生活習慣を変更する必要はありません。しかし、この治療が手術後・体力が低下したときに
行っているのであれば、体力が戻ってから徐々に行動範囲を広げる必要はあります。
ご自身の体調を考えながら、仕事や家事などを行ないましょう。
また、普段の生活習慣に無理があった場合は修正する必要はあります。
(ご自身の生活習慣に疑問をもたれた方は、医療者にご相談ください)
抗がん剤投与後の症状は自己判断せず、医療者に相談しましょう。
症状の出現は個人差が生じる場合があります。医療者(医師・看護師・薬剤師)と一緒に対策を考えましょう。
いつでもご相談にのります。
| 図4 |
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